【ナカノヒトゲノム 】一目惚れ、しちゃいました。【鬼ヶ崎カイコク】2

76.HIDEOUT ページ28

「ねえ〜、やっぱり一匹しかダメ？本当はあの二人も欲しいわ」

二人……カリンちゃん、ヒミコちゃん、路々森さんの、そのうち二人だろう。

「地下牢はもう、いっぱいじゃろ。もうふたつ増やすなら、処分してからにしなさい」

「……ちぇっ、はぁい……」

やばい、恐怖で力が入らない。

私はもう、死ぬのかな。

「あの！俺もお供していいですか？」

と、アカツキくんの声が聞こえた。

「だめよ。ひとつ処分しなきゃいけないもの。あんたはいらない」

アカツキくんまで犠牲に……、ダメだ。

言わなきゃ、ダメだって。

「アカツキ、く……」

「ちょっと、しゃべらないでよ」

包丁を近づけるキッカさん。

「……、」

私は思わず、口を閉じてしまった。

「まぁ、そう言わず、お試しっていうやつです。いらなかったら、処分してください」

「アカツキ！！何考えてんだテメ……」

「Aさん一人にはできないです」

お願いしますと頼むアカツキくん。

「……おもしろい。いいじゃろう……」

と、アカツキくんも持って、鬼の屋敷へと進んでしまった。

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