【ナカノヒトゲノム 】一目惚れ、しちゃいました。【鬼ヶ崎カイコク】2

71.SACRIFICE ページ23

「待て。駆堂は顔が邪悪だ。かえって鬼を刺激するのでは……」

ハッとしたように言うザクロさんにムカついたのか、

「表出ろや、コルアァァ！！」

と叫んだ。

「つーか、テメーが生け贄やれや！」

「イイネ！」

駆堂くんがそう言うと、グッと親指を立てる路々森さん。

「ザッくんなら、女装もきっと似合──」

「俺は女装だけはしない」

「でも、似合──」

「しない」

首を振るザクロさん。

「それでも強要するなら、俺はここで舌を噛み切る」

「お……、おお……」

「こんな頑なな忍霧さん、初めて見ました」

ザクロさんもしないというわけで、次に視線がむくのはカイさんだ。

「じゃあ、カイさん……。僕らのために一肌脱いでくれ……」

心なしか目がキラキラしてるよ、路々森さん。

アカツキくんもおねっしゃーすと言っている。

「嫌でえ。大体、そこの嬢ちゃんの身代わりだろ？タッパが違いすぎるじゃねェか」

まぁ、確かに……。

カイさんは背が高いし、なにより男だし……。

……見てみたいけど。

「一晩中、ぶら下がってたらなんか伸びました、って言えばいいだろ」

「嫌でえ……」

「や〜、でもカイさん……。サキサキも多分見たがってるぜ？」

「Aちゃんが？なんでえ」

じろりとカイさんに見られ、必死に否定した。

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