【ナカノヒトゲノム 】一目惚れ、しちゃいました。【鬼ヶ崎カイコク】2

65.SACRIFICE ページ17

三日後、私の腕は完治した。

第五ステージに行くため、パカさんの後ろをついていく。

周りには、狐の面を被って歩いている人達。

屋台を見ると『めだますくい』やら『肝ころがし』とか不気味なものもあれば、普通の屋台もあった。

「第五ステージは『鬼退治』でございます。この村では今晩、カクリヨ祭という鎮魂の儀がとり行われます。しかし毎回、その騒ぎに乗じて鬼が生娘を攫いに来るとか……」

鬼退治、ということは鬼を倒す……ってことになるのか。

「今回のクリア条件は誘拐の阻止および、これまで攫われた娘さんたちの奪還です。今晩の祭りは失敗のゆるされない、一度きりのイベントでございます。皆様、心して臨んでください」

『失敗のゆるされない』。

その言葉にプレッシャーがかかる。

「『奪還』ですか？『退治』ではなく……」

「もちろん。鬼の根城をつきとめ、この地から一掃できれば、トゥルーエンドでございます。しかしながら、今回の鬼はチート級の強さ……。全滅確定のタスクを背負わせるほど、ワタクシも鬼ではありません」

「……」

チート級……。

死人が出るのではないかと、想像するとゾッとした。

考えないようにしよう。

「ここ……、今までの場所とはなんだか雰囲気が違いますね……」

とヒミコちゃんが言った。

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