第59話(お別れ編) ページ12
貴方side
「……ただいま」
「あら、おかえり。東京どうだった?」
お母さんがニコニコと笑いながら玄関まで来てくれた。
なんだか、その声がフジの笑顔と重なって見えた。
涙が溢れそうになり、それを隠すように、俯いた。
「うん、楽しかったよ」
「……そう、よかったわ」
「お土産も買ってきたよ」
「あら、よかったのに。欲しかったものは買えた?」
「っ、うん」
なんだか、お母さんの声にほっとした。
ぽろり、と涙が溢れてしまう。
「ど、どうしたの?」
「うう、ぅ、おかあ、さ……、おかあさっ、」
動揺するお母さんに申し訳ないなと思いながらも、抱きついた。
「よしよし、」
なぜ泣き出したのか分からないのに、お母さんは私をぎゅっと抱きしめて、泣き止むまで、ずっと頭を撫でてくれた。
「……落ち着いた?」
「うん……。ごめんなさい」
「なんで謝るの。嫌なことがあったんじゃないの?お母さん聞くよ?」
また涙を流してしまった。
涙声の私が話すと、お母さんは頷いて、話を真剣に聞いてくれた。
「……、A」
「はい……」
馬鹿らしいと思ってるんだろうか。
そりゃあそうだろう。
実況者が好きで、告白してその人に告られるなんて。
そして両思いだなんて。
そんな都合のいい話、嘘だとも言えるし、馬鹿らしいとも言える。
だが、お母さんの言葉で私の顔は間抜けな顔に変わったのだった。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
金平糖(プロフ) - ゆーまんさん» アッアッありがとうございますっ!私も大好きです (2019年8月26日 16時) (レス) id: df27c0b327 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーまん(プロフ) - もうほんとだいすきです (2019年8月26日 16時) (レス) id: c7175e42ef (このIDを非表示/違反報告)
金平糖(プロフ) - みみゅさん» 前作から……!ありがとうございます!憧れだなんて!私なんかまだまだ未熟者ですよ……!もっとドキドキさせられるよう、頑張りますね!更新も頑張ります! (2019年8月20日 10時) (レス) id: df27c0b327 (このIDを非表示/違反報告)
みみゅ - 前作からずっとドキドキしながら見させてもらってます! 主さん文才素晴らしすぎて憧れます… 更新、頑張ってください! (2019年8月20日 9時) (レス) id: cd5bc31fc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・∀・`)ナイナイ
作成日時:2019年8月10日 6時