【実l況l者】紫とハンカチ【fj】2

第58話(お別れ編) ページ11

フジside

「い……、」

言ってしまった……。

Aちゃんの言葉が嬉しくてたまらなかった。

舞い上がって、告白までして……。

これじゃあ、Aちゃんが困るだけじゃないか。

「はぁあ……」

「……どーしたのフジ。そんなにAちゃんと別れるのが嫌だったの？」

ニコリと笑って話しかけてきたのは、ヒラだ。

「分かってるくせに……」

「あはは。ごめんごめん。でもさ、必ず会えないっていうわけじゃないんだから、そんな絶望したような顔しないでよ」

絶望したような顔？

俺、そんな顔してたのかな？

「……そんな顔してた？」

「してたよ。気づいてないの？」

「うん……」

「……もう、フジといい、キヨといい、レトさんといい、みーんな悲しい顔するんだから」

キヨとレトさんが……？

あぁ、そっか、キヨは紅葉さんと、レトさんは美栞さんと仲良かったもんね……。

「……フジ。連絡はできるんだから、そんなに顔しないでね」

「……あぁ、そっか。ありがとう、ヒラ」

そうだ、会えなくても、Aちゃんと連絡はできるんだ。

ちょっと沈んだ気持ちが、楽になった気がした。

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