……LAST ページ38
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相葉「バッカじゃねぇの！ そんなんウソに決まってんじゃん！」
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いや、バカは俺だ。
そう思いながらそういうと、腕の中の彼女が小さく笑った。
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相葉「なんだよ……なにそれ、じゃあ……」
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惚れっぽくて。
熱しやすくて冷めやすい彼女だったけれど─────そもそも、俺の事が好きで。
俺以外の誰かを好きになろうとしていたから、いつもあんなに簡単に人の事を諦めていたんだ。
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相葉(そういう、事だよね……？)
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恋愛に対して消極的な所はきっと、根本そうなんだろう。
だから俺の、どーでもいい人間に宛てたつまらない方便だって、彼女は鵜呑みにして。
それで「ダメだ」って諦めて。
でも諦められないから─────ずっとここに、いてくれて。
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相葉(ああ、でも)
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大学を卒業する、就職するタイミングで諦める事だってできたのに。
そうはせず、ここに通う事ができる範囲で就職先を探していてくれた彼女は─────もう、俺に落ちる事に抗うのをやめたってことで。
遠回りした様だけど、やっぱり時間かけて、俺ナシじゃいられないくらいにして良かった。
思ってもいない事だ。
だけど……結果オーライってきっと、この事だ。
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ぐぅ……
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腹の虫がないて、彼女はピクリと小さく反応すると、体をこわばらせた。
それを腕の中で感じて、俺は笑う。
「お腹すいたね？ 晩御飯、何たべる？」と尋ねると、彼女は少し考えて─────それから「オムライス」と答えた。
俺はもう包んだ卵の上に書く言葉を、何にしようか……って。
何にするかなんて、もう俺の中で決まっているのにそんな遠回りの思考をして、時間を楽しんだ。
オムライスを作る準備をする俺に、彼女がポツリと呟いた。
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A「わたし……あなた抜きじゃもう、いられないんです」
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食べる事は生きる事だ。
その彼女食べることを─────俺が、担う。
それって、なんてステキなことなんだろう。
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相葉「俺もー(笑)」
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そう言うと、Aちゃんは「軽い！言い方軽い！！」と、恥ずかしさを紛らわせたのか、大きな声でそう言った。
それを聞いて俺は笑う。
彼女を黙らせるのは、簡単だ。
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相葉「早く俺も食いたいな♪」
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少し屈んで耳元でそう呟くと、Aちゃんが耳まで真っ赤にして「どうぞ召し上がれ」なんて言うから。
今度は俺が赤くなる番だった。
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26.04.15
That's all!!
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作者名：12（とうふ）
作成日時：2015年4月1日 23時
