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A「…………。」
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ショックだった。
二宮さんが無理でも大野さんなら、もしかして─────付き合えるんじゃないかって。
好きになってもらえるんじゃないかって。
一瞬でも考えた自分が恥ずかしくて、泣きそうになった。
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A(大野さんにだって)
A(大野さんにだって─────届かない……)
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大野さんはフツーのちょっとイケメてるサラリーマンだけど。
だけど、アーティストの二宮さんに現状維持じゃなくて違う何かを、提案したりできる……いわば、二人は対等な位置にあって。
わたしが二宮さんには届かないって思ったのと同じくらい、大野さんにだって届かないって気が付いて泣きそうになった。
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相葉「……………………好きに、なっちゃったんでしょ？」
A「…………って、ない、です……」
相葉「えっ？！」
A「好きになんか……」
相葉「Aちゃん……」
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相葉さんは自分が「大野さんはなぁ……」って濁してたから。
だから多分、こういう結果になるって解ってたんだと思う。
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相葉「さってと……晩御飯、オムライスでいい？」
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ぽんぽんって。
大きな手がわたしの頭をなでて、わたしはコクリと頷いた。
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相葉「ワンパターンでごめんねっ(笑)」
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相葉さんはそう笑ったけれど。
だけど─────思えば、ここで賄を食べるようになってから、ずっとそうだった。
時々、相葉さんはオムライスを作ってくれて。
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相葉「はい！いっぱいたべてね！！」
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チキンライスを薄い卵で包んだオムライス。
その上に、ケチャップでメッセージを書いてくれるのだ。
(初めての試験の時は『合格』だったな)
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A(わたしが櫻井さんを好きだったころは……)
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最初は賄は、バイトに入った時だったけれど。
丸のなかに１２、３、６って描かれた、時計の絵をかいてくれてたりした。←パテックフィリップ書いたらしい
失恋した時に「ちゃんと食べてる？」って心配してくれて。
それから３食ここで食べるようになって─────
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A(今日は……)
A(『前しんあるノミ』……？)
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多分、漢字の画数がおおかったり、書くスペースがなくなったりして、チョイスされたひらがなやかたかな。
それをみてわたしは、小さく笑った。
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作者名：12（とうふ）
作成日時：2015年4月1日 23時
