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A「相葉さん……」
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ベットの上のシーツのふくらみは、人がそれを被って丸まっているんだとわかるソレで。
わたしは近くまで行って、声をかけた。
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A「あの……、起きないんですか……？」
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低い、「ん……」という声が聞こえる。
いつも「おはよう」って言った後に、背伸びした後とかに漏れる、相葉さんの声だ。
いつもと一緒だった、聞きなれた声だった事にわたしはホッとしたのか。
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A「もうお昼ですよ？」
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そう、声をかけて。
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A「ねえ、相葉さ……、っ？！」
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肩あたりだろうシーツの丸みに手をかけてゆすって起こそうとした、その時だ。
一瞬の事だった。
驚く程の力で、手首より少し上を掴まれたかと思うと、強く引かれ─────わたしはベットの中に引きずり込まれるようにして、仰向けに寝転んだ裸の相葉さんの腕の中に倒れ込んだ。
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相葉「…んでまだいんだよ……」
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目にしたのは、肩にある模様みたいな痣。
耳にしたのは、低い声。
聞きなれたはずの、声だ。
だけど─────こんな乱暴な言い方は、知らない。
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相葉「キスだけな」
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相葉さんはまぶしそうに目を閉じたまま、眉間に皺を寄せて。
不機嫌そうにそう言い、ガシガシと右手で頭を掻いたかと思うと─────その右手でわたしの後頭部に掴んで。
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A「…え、……っ……」
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今度はわたしを優しく引き寄せて─────上唇を、右から左へと舐めた。
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A(え？)
A(え？？)
A(え─────？！//////)
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驚いて「え」、と発したまま固まっていると。
その、ほんのすこしだけ開いた唇の隙間にヌルリ、とナニカが。
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A「…っ、ぁ……っ」
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ナニカって、舌なんだけど。
相葉さんの舌なんだって、ちゃんと解っているんだけど─────ソレが入り込んできて、わたしの舌を絡めとった。
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A(うそ！)
A(嘘！！ウソ……！！！！)
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舌で舌を舐められて。
一瞬頭が真っ白になったのだけれど、ハッと我に返って、わたしは相葉さんの胸についた腕を伸ばして、相葉さんと距離を取ろうと。
離れようとした。
だけど。
後頭部をしっかりと押さえられていて─────いつもあの、ぽんぽんって。
わたしの頭を撫でてくれるあの手で、押さえられて。
わたしはされるがままに、なったのだった。
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作者名：12（とうふ）
作成日時：2015年4月1日 23時
