……18 ページ18
.
二宮「知らなかった？」
.
.
さっきまで、「うまいうまい」って。
そう言って相葉さんは食べてくれていたのに、二宮さんの目は、嘘をついているような目ではなく─────つまらなさそうに、そう言った。
.
A(ウソ……)
.
ショックを受けたのは─────相葉さんが無理してい笑っていてくれたからなのか。
それとも、二宮さんがわたしが二宮さんにどうこう……っていうよりも、相葉さんの事を気遣っていたからなのか。
どちらかとは思わなかった。
きっと、どちらともだったからで、且つ、二宮さんがわたしの事なんてなんとも思っていないって言うのを察したからだろう。
.
.
わたしの事なんか、これっぽっちも好きじゃない。
.
.
それどころか。
こんなよくしてくれてる相葉さんの事を気遣えないなんて、最低だ。
そう、言われた気がした。
二宮さんが飲んでいたあのコーヒーみたいに……ほろ苦い、思い出だ。
.
.
.
.
二宮さんに嫌われた……なんて、おこがましい。
きっと最初から二宮さんはわたしの事なんて、見ていなかったし─────気が付いてなかった。
だけど。
.
相葉「好きだったでしょ？」
.
相葉さんは、「俺、知ってたもんねー！」と得意気に笑った。
昔の話を掘り起こされて、わたしは頬を赤くして唇をとがらせた。
.
A(わたしだって)
A(わたしだって、相葉さんがおにぎり苦手だったのに食べてくれたって知ってるもんね！)
A(言わないけど！！)
.
相葉さんは「うふふ」と。
何か思い出して、楽しそうに言った。
.
相葉「結局さー、Aちゃんってニノに告白したの？」
A「してませんよ！」
相葉「あれ！そうなんだ」
A「そうです、そうなんです」
相葉「Aちゃんが一回だけ朝ごはん作ってくれたじゃん。あん時、てっきりニノに振られたのかと思った」
A「…………。」
相葉「Aちゃん、この世の終わりみたいな顔してたからさぁ」
.
気付いとったんかい。
そう思ったけれど、わたしはそれには返事しなかった。
その代わりに、「まあ、そんなよーなもんですよ……」とだけ言うと、相葉さんは「なんだそれ！」といって、また「うひゃひゃ」って笑ったびだった、
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1075人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：12（とうふ）
作成日時：2015年4月1日 23時
