霧の中Ⅱ【嘴平伊之助】 (ページ4)

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第46話ページ4

宇髄「だから、お前を死なせるわけにはいかない。」

『っつ。…ほ、ほんとに湊がそう言ったんですか…。』

信じられない…。

湊がそこまで私の事を思ってくれてたなんて知らなかった。

なんで死んだんだよ、湊…。

もっとちゃんとお礼言いたかった…

宇髄「あぁ。だから今回は、身を引けA。」

カーカー！

思考が働かない中、私の鴉が飛んできた。

鴉「ナンナントー！タイシガアブナイ！イソゲエ！イソゲエ！」

『な、南南東…』

宇髄「遊郭の任務は俺たちに任してお前はそっちに行け。大した鬼じゃねぇだろうから大丈夫だ。行ってこい。」

行くしかない。行くしかないのか…

『わ、分かりました…。』

私はふらつく足で八戸屋を出て南南東に向かった。

『…湊。これが本当に正しいのかな。本当はまだ遊廓に残って一緒に戦った方が良かったんじゃないのかな。…教えてよ湊。』

頭が働かない。

何も考えられない。

私は、柱になんてなれてない。

何の役にも立ってない。

何も強くなってない。

私は今まで何をしていたんだ。

結局、両親を殺されたと時から何も変わってない。

『どうしたらいいんだ…。』

強くなんて、なれないのか……。

伊之助「おい！赤目玉！！」

朦朧とした意識の中、伊之助の声が聞こえた。