霧の中Ⅱ【嘴平伊之助】 (ページ21)

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第62話ページ21

俓獅「あれ？知らない？Aの両親…殺した奴だよ。」

『…は？』

両親を殺した鬼、、、。

俓獅「俺、あいつと仲良くてさぁ。色々聞いてんの。それで、何年か前に結構面白いガキに出会ったって言ってて、それがAだったってわけ。」

『…。』

両親の仇の鬼、、

そいつの名前…。

俓獅「知ってるのかと思った。知らなかったんだ。」

伊之助「おい、赤目玉、、、」

『……どうでもいい。』

俓獅「酷いなぁ。せっかく教えてあげたのに。」

『興味ねぇんだよ、鬼の名前なんて。ただ滅殺すればいいだけだ。てめぇもあいつも。私がぶった斬る。』

俓獅「ふっ、あっはは！やっぱりAは面白い！鬼になろう！！」

鬼になろう？

『馬鹿言ってんじゃねぇぞ。私は元々、半分鬼だ。』

半分鬼の私に、鬼になろうだなんて笑わせる。

伊之助「てめぇら俺様の存在忘れてんじゃねぇだろうな！」

『忘れてねぇよ…親分。』

俓獅「Aは必ず俺の物にする。ﾎﾞｿｯ」

『行くぞ、伊之助。』

伊之助「おうよ！！」

私と伊之助は俓獅に斬りかかった。

『霧の呼吸！伍の型！霧散！』

伊之助「獣の呼吸！！弐の牙！！切り裂き！！」

俓獅「…そろそろ学ぼうよ。」

やっぱり一筋縄ではいかないか。

伊之助「てめぇ！！なんで斬れてねぇんだ！！」

俓獅「お前に言う必要ないだろ。」

伊之助「うぎぃぃぃ！！！」

『落ち着け伊之助。』

こいつは首を自由自在に動かせる。

ただ、攻撃しても無駄か。

俓獅「前回とは違って沢山時間がある。いっぱい遊ぼうね。」

伊之助「死にやがれ！！」

ｻﾞｼｭｯ

伊之助が俓獅に斬りかかった。

『ま、待て！伊之助！！』

俓獅「しつこい奴だな。血気術、殺雨。」

また血気術！

俓獅「毒針の雨で死ね。」

伊之助「ちっ！またかよ！！」

『伊之助！危ない！』

グサッ

伊之助に毒針が刺さった。

『伊之助！！』

グイッ！

伊之助「おい！離しやがれ！」

伊之助を無理やり木の下に置く。

『頼むから！ここにいてくれ。』

こいつはまた毒を使う。

今回は禰豆子が居ない。

次またあんな風になったら今度こそ死んでしまう。

『…あいつは必ず私が討つから。』