霧の中Ⅱ【嘴平伊之助】 (ページ17)

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第59話ページ17

『はぁ、はぁ、、バ、バケモンかよ、、』

あのまま伊之助は腕を離さずに走り続けて、街に来た。

疲れた。とにかく疲れた、、。

伊之助「衣のついたやつは何処だ！！！」

『一旦休ませろ！！ボケが！！』

呼吸が落ち着いたので天ぷら屋さんに向かう事にした。

『ほれ、着いたぞ。』

伊之助「おぉ！！でかした！！」

なんで上から目線なんだよ、、

店員「いらっしゃい。」

『あ、すみません、天ぷらください。』

店員「かしこまりました。」

お店の人に天ぷらを頼んで席に座った。

伊之助「おい！まだかよ！！腹減った！！」

『今注文したばっかだろーが、少し待て。』

さすがにご飯食べる時は、猪のやつ外すんだな。

ま、そりゃそうか。

、、、にしても、顔が良い！！

伊之助「あぁ？何見てんだよ！！」

『…いや、なんでもない。』

まつ毛なっが。目でっか。

身体隠したら女の子だな。

店員「お待たせ致しました。天ぷらでございます。」

『あ、どうも。ほら、きたぞ。』

伊之助「いやっほぅぅ！！」

『箸使え馬鹿！』

無我夢中で天ぷらに食らいつく。

モグモグ

伊之助「ん？ほ、まえ、ふわねぇのか？？」

『もの食べながら、喋んな。何言ってるか分かんねぇから。』

ゴクン

伊之助「お前は食べねぇのかって聞いてんだ！」

『え？あぁ腹減ってないし。』

さっきの走りで疲れてんだよこっちは。

美味そうに食うなぁこいつ。

『…んぐ！！』

伊之助「ほら！特別にやるぞ！！俺は親分だからな！！」

ぼーっとしてると伊之助が無理矢理、口の中に天ぷらを入れた。

『…う、美味い。』

伊之助「へっ！そうだろう！！ﾆｶｯ」

熱っついけど、、、

、、、美味いな。

すげぇほわほわする。

『…ありがとう親分。ﾆｺｯ』

伊之助「お、おうよ！！」

顔は良いし、まぁ悪いやつじゃないし、

こいつは黙ってりゃ、モテるんだろうな。

『あぁ勿体ねぇ、、。』