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＃９３３ ページ8
雅紀side
翌朝、起きてからもAは泣いた。
どれほど強い思いなのか…
Aはきっとずっと俺らがいいんだよな。
急に新しい先生に診てもらえだなんて不安になるのも分かる。
雅「A…っ、」
ああ、あの日みんなで見つけたAのSOSが…
どうすればいいんだろうか。
雅「A、新しい病院のホームページ一緒に見てみようか。」
A「やだあっ…先生たちがいいの…」
今は何しても無駄なのかな…
コンコンッ
ノックの音の方に目を向けると出勤したばかりの翔ちゃんが立っていた。
翔「カルテ見たよ。ごめんね、昨日はありがとう。」
雅「翔ちゃん久しぶりの早番だったんだから気にしないで。」
俺らの会話に意識を向けるでもなくAはひたすらに泣いていた。
翔「A、」
A「やだっ…」
翔「今はダメだな。朝の服薬まだだよね？」
雅「服薬どころか何も出来てない状態。」
俺が病室に来た時には既にもう泣いていたんだから。
翔「今日は早起きだったか(笑)」
本当に。よく涙が枯れないよ。
翔「あ、相葉くんもう上がりだよね。あとは俺がやっとくから。」
雅「うん、ありがとう。A、また明日ね。」
Aが縋るように伸ばしてきた右手を避けるように俺は病院を出た。
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2020年12月12日 23時
