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＃９５７ ページ32
和也side
花粉症に苦しむ2人のくしゃみを背に聴きながら俺はデスクを整理していた。
潤「あー、またティッシュ切れたよ…」
翔「ほら、これ使いな。」
潤「サンキュ…っくしゅん！」
医局はいつも通りの日々。
はあ…
片付けるのも面倒だけど何より寂しさが勝ってしまう。
相葉さんも大野さんももうすでにダンボールに詰め終わっている。
あとは俺だけ…
まさかこの場所を離れる日がくるなんてな。
あの日の俺は想像すらしていなかったよ。
智「お、荷造り？」
和「まあそんなとこ。」
智「あーこれ懐かしいね。」
あなたが邪魔してどうするの…
でも懐かしいもので溢れてる。
Aが退院後に送ってくれた手紙も写真も全部取ってある。
あとはボランティア先の子供たちからもらったプレゼントとか…
こういう物が出てくるから嫌なんだよな。
智「やっとやる気になったんだね。」
和「もうそんなに時間ないから…」
智「本当はやりたくないんだ？」
そりゃあそうでしょ。
離れることを決めたのは俺だけど、離れることを心のどこかで拒んでいる自分もいる。
智「手伝ってやろうか？」
和「いいですよ。大野さんもまだ引き継ぎあるんでしょ？」
こういうのは誰かと一緒にやったらダメなんですよ。
だって…全部思い出しちゃうじゃん…
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2020年12月12日 23時
