私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART19 (ページ21)

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潤side

Aは相変わらず幼い表情を見せながら俺らに甘えてくる。

でも、前と違うのは確かに前を向いているということ。

A「先生これはー？」

潤「んー、Aならこっちじゃない？」

A「あっ、これ可愛い！」

今は俺の膝の上に座ってネット上でウィンドウショッピングをしている。

買ってやろうか？と言ってもAは何かを成し遂げた時に自分へのご褒美として買いたいからって断った。

雅「何してんの〜？」

A「いつか買う欲しいものを見てるの。」

雅「ご褒美的な？」

A「そう！」

今までAは自分へのご褒美はほとんど買っていなかった。

そもそも自分への投資すらあまりしてこなかった。

きっとこれはAが頑張ろうと前に進もうとしている証だから。

雅「何を頑張ったら買うの？」

A「そうだな…、とりあえず新しい病院に1ヶ月通えたらかな。」

周りの人から見たら決して大きな目標ではないんだろうけど、Aからしてみたら大海原へ航海に出るようなもの。

相当な覚悟が必要なはずだ。

潤「まずはちょっとずつだもんね。」

A「うん。その次はね、病気が治った時に大きなモノ買いたいんだ。」

Aが描く未来像はどんな景色なんだろう。

きっと綺麗な景色が広がっているのかな。

そうだったら俺らも嬉しいよ。