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＃９４４ ページ19
翔side
俺は離れたところでAの表情を見ていた。
頭をぐるぐる巡らせているようなそんな表情。
頭もいいし、前職は最前線にいたようなもんだから分かってるはずなんだけどな…
A「どうして、先生たちじゃダメなの？」
智「Aが行く新しい環境に先生たちはいないから。」
A「どうして…新しい先生に会わなきゃいけないの？」
智「Aの病気を完治させるため。」
大野さんはAの質問に素直に真っ直ぐ答え続けた。
これでAが納得してくれるとは俺らは到底思っていないけどね。
A「もう、ここを出たら先生たちとは会えないの…？」
智「そんな事ないよ。いつかまた会える。だからその時までAは元気でいて。死なないで俺らと会える日まで待ってて。」
A「死にたくなっちゃったら…？」
Aの口からそんな話が出るとは思っていなかった。
不安そうな目で、でも真っ直ぐに大野さんの目を見て問いかけた。
智「その時まで新しい先生に心を開けなかったら俺らがいるよ。でもそれは最終手段。最後の砦として頭の片隅に置いて欲しい。それからね、空を見るの。どんなに離れていても会えなくても空だけは繋がってるから。」
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2020年12月12日 23時
