＃６４３ ページ18
翔side
手当てを終えて病室に戻ってきたAは落ち着かない様子でゆらゆらと時間を漂う。
大野さんはそんなこと気にもとめずに真っ直ぐAを見据える。
智「なんで何も言わずにいなくなったの？心配したんだよ？」
A「……」
智「俺らだけじゃない。ナースも他のスタッフもみんなAのこと探してくれてた。」
A「……」
なにか話しなよ…
大野さんの目がどんどん鋭くなっていくのが分かる。
智「黙っていることしか出来ないの？」
A「……」
完全に黙り込みを決めてしまったAは視線をゆっくりと下にずらした。
智「はぁ…」
大野さんがパイプ椅子から立ち上がってAの近くに移動する。
……バチンッ、！！
鈍い音が狭い病室に響く。
それが大野さんの手のひらから発せられた音だと理解したのは数秒後だった。
智「いい加減にしなよ？みんな暇じゃないんだよ。いなくなることが迷惑かけないとでも思った？」
A「…探してなんて、頼んでない！！」
智「じゃあもうAがどこに行こうが探しには行かないから。」
大野さんの怒りはピーク。
こんなに怒ってるの久しぶりに見たかも…
でもそれだけAのことが大切ってことだ。
智「…もうAの好きにしなさい。」
そう言い捨てて病室を出ていってしまった。
A「んっ…んーっ…、」
翔「A…」
泣き出したその小さな身体をそっと抱きしめた。
まだ微かに冷たい身体を温めるように包み込んだ。
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ルルモ(プロフ) - 移行おめでとうございます！こっそり楽しく読ませていただいております。 (2019年4月15日 19時) (
レス) id: f5d7b6f301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2019年4月13日 15時
