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＃１５８ ページ32
智side
医局のソファーで寝てしまったAを起こして移動させるわけにもいかず、仕方なく朝までこのままにしておくことにした。
不安定だったしまあいいよね。
Aが見える位置までパソコンを引っ張ってきてカルテ整理の続き。
この時期はまあ忙しい。それが患者さんのためになってるならいくらでも身体は犠牲にできるけどね。
A「んっ…んぅー…」
魘されてるのかAは唸り声を小さくあげた。
智「大丈夫だよ。だいじょーぶ。」
Aが起きないようにそばに行ってそっと声をかける。
外泊中は翔くんが就寝前に強めの薬出してたからな…
病院でならパニック起こしても対処できるからむやみに出したりしない。
それに昔、薬で楽になるのは嫌だって言ってたから。
A「んーっ…！」
おっと…さすがに起こした方がいいか。
智「A…苦しくなる前にちょっと起きよう？」
一声かけただけでゆっくりと目を開けた。
深くは眠れなかったみたいだね。
智「大丈夫？だいぶ魘されてたけど。」
A「さと、せんせ…」
俺の顔を見てぎゅっとしがみついてきた。
このままだと分離不安になる…
智「うん、ここにいるから。あったかい飲み物用意しようか。」
さりげなくAの手を解いてそばから離れる。
みんな忙しい時期に分離不安になったら大変だから。Aにとってはちょっと厳しいけど我慢してもらうしかない。
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2018年5月22日 11時
