青春アサガオ２ (ページ8)

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A「…聞いていい？」

廉「…何を？」

A「…」

やっぱり聞かない方がいい気がして、思わず黙り込んだ。

廉「…昔の女の、こと？」

A「…へ、？」

…なんで分かるの…？

廉「…なんで分かるのって、思っとるやろ」

A「…うん…笑」

廉「まぁ、別に…そんな壮絶な話でもないんやけど。笑」

ちょっと笑ってから、廉は話し出した。

廉「ほら…俺ってイケメンやん？」

A「え…？…うん、笑」

…真剣な顔で話すと思ったらいきなりこれで、ちょっとつまづく。

廉「…やからさ、今まで俺に話しかけてくるやつなんて所詮俺の顔目当て、みたいなやつしかおらんかってん」

まぁ…確かにそうなるよね。

廉「…始めはそれ知らんくてさ、休み時間になるとみんなが俺の机を囲むんも、いろんな女子にくっつかれるんも、普通に楽しくて」

A「…うん」

廉「まぁ…そう思っててある日突然突き放されたら、そりゃトラウマになるよな」

A「…」

…突き放される…

廉「…中学にボスみたいな女がおってさ。そいつに…告白されて。公開告白。確かに、すげー顔は美人だった。顔、は。

…でも…人を見下すような態度とか、ずっと気に食わんくて。断ったんよ。

したらもう…

…ある日、みんな掌を返したみたいに冷たくなってさぁ。」

廉「俺だけならまだしも、仲良くしてた優太や海人まで嫌がらせ受けて。…それが…ほんまに許せんかった。」

廉「…しかもそのあと…次の年に嫌がらせは治ったけど、俺を取り合った女同士がものすごい喧嘩して退学、とか。それで落ち込んでた時に声かけてくれた女もやっぱり俺の顔目当てだったりしてさ。」

A「っ…」

…酷い。酷すぎる。

廉「…もう、女なんか信用できんくて。…一生関わらずに生きていきたい、なんて本気で思っとった」

廉は少し下を向いた。

廉「だから…Aを見たとき、また中学ん時みたいなことになるんやないかって、俺怖くて」

…急に自分の名前が出てきて、思わず廉を見上げる。

廉「優太から繋がったってことは、俺を狙うために優太を利用したんやないかとか、色々考えちゃって。」

廉「これ以上あいつらを傷つけたない…俺も、傷つきたくない…それだけやったんやけど。

…お前は、違ってさ」

A「…？」

廉「…なんか、いい意味で女っぽくないっていうか。

…俺もよく分からんけど…お前は、別に嫌やなかった」