青春アサガオ２ (ページ17)

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紫耀side

ハーフタイムもいよいよ終わろうとしている。

休憩中、先輩達は俺と廉の肩をバンバンたたきながら、

プレーの仕方は変えず、今の勢いを保て

みたいなことをチームメイトに向かってずっと言ってた。

俺らにも、まだ体力を温存しろ、と。

…俺は、本当に今の戦い方でいいのか不安な部分もあるんだけど。

紫耀「…ふぅ…」

…今の勢いを保て、じゃなくて。

…ここから…

本気出さなきゃな…。

そう思うことにして、1人大きく深呼吸した。

…突然、ポンっと一瞬肩に手を置かれる。

…廉。

そのまま俺の隣を通りすぎて、1番距離が近くなった時に小声で口を開いた。

廉「行けるな」

紫耀「おう」

聞き終わる前に廉は走り出して、持ち場に戻っていく。

…今度は、ちゃんと目を見ての会話。

…やっぱり、ここからだって思ってるのはお前も一緒だよな？

あれだけの会話で、ちょっと顔を見ただけで、たくさんの事が分かる。

…ま、協力すんならこのくらいできないとね。

ピーーーーーーー

…後半開始のホイッスルが、鳴り響いた。

______________

紫耀「…うわ…」

…始まってすぐ、相手が新しい攻め方を仕掛けてきたことを感じ取る。

…雰囲気も、ちょっとただものじゃない何かを感じてる。

紫耀「っ…」

俺もすぐさま守り方を変えて、積極的にパスカットに走ることにした。

それは廉も同じで。

やっぱり、ここはこのやり方が1番有効なんだ。

…そう思っていた矢先。

「おい、平野、永瀬！！」

先輩の声が響いて、とっさに部員が控えている方を見た。

廉も、怪訝そうな顔で先輩を振り向く。

「体力温存と言っただろ！！勝手に判断して動くな！！自分たちの体力を過信するな！！」

紫耀「っでも！っ…」

…言葉に詰まる。

コートのど真ん中で、大声で相手の作戦について触れたくはなくて…言えない。

廉「そろそろ、本気出した方がええと俺は思いますけど」

…廉も核心には触れずにそう反論した。

「…お前ら、1年のくせに分かったみたいな言い方をするな！！次逆らったら、チェンジするぞ！！？」