青春アサガオ２ (ページ16)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:73,063 hit

64 ページ16

紫耀side

廉がなんとも爽快なシュートを決めてから、10分が経った。

未だに試合に大きな動きはない。

かなり、幸先のいいスタートだっと思う。

俺と廉は事前の打ち合わせでフル出場が決まっているから、最初のあれ以降は極力体力を温存しながらプレーしている。

コートは、例年にないくらい大盛況らしい。

俺も、さっきA達がやっと来たのに気がついてから、絶対勝たなきゃなと改めて気合が入った。

今のところ…

流れは、うちにあるように思う。

でも…

…多分、相手もまだ温存している。

有名な強豪校である相手チームが、このまま黙っているわけがない。

きっと…

後半は、かなり激しい戦いになってくると思うんだ。

だから、今はまだ全力で走りたい気持ちを抑えて最小限のボール回し。

俺と廉が温存している状況でも、点数こそ入らないものの仲間が何度もシュートを決めてて。

流れは渡さない、そんな意思がみんなのプレーのところどころに滲み出ていると思った。

…そうこうしているうちに、前半も残り5分。

相手も全く動じない顔でプレーしているのが、逆に後半にどんな作戦を持ってきたんだろうと少し怖くなるくらいだ。

廉を見ると、俺と同じように黙々と小走りしてボールの動きについて行っている。

ふ…

今日は、今日だけは。

お前と協力しないとな。

さっきみたいにお前の裏でいいパスを出すなんてのも、全然ありだぜ？

今日だけは、な。

ピーーーーーーー

ちょうど廉にパスが回ったところで、前半終了の笛が鳴った。