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…静かになった倉庫に、私の乱れた呼吸だけが響く。
A「ふっ…れぇん…っ泣」
…安心したのか、気づいたら涙が溢れていた。
A「うぅ…れ、…助けてくれて、ありがと…っ」
どうにか、お礼を伝える。
廉「…別に、お前のためちゃうし。倉庫に用事あんのに邪魔やったから、」
ううん…
A「…それでも、ありがとう…」
廉「…」
廉は困ったように倉庫の外を見た。
廉「…着替え持ってるん、」
A「…えっと…教室に、体育着が」
廉「はぁ…」
取りにいかなきゃだよね…
廉は、自分のバッグにだるそうに手を突っ込んでいる。
廉「…ん。」
A「…ん…？」
こっちにゆっくり歩いて来たかと思ったら、無言で袋を渡された。
中を見ると…
…体育着。…多分…廉の。
A「…いいの？」
廉「…そーするしかないやろ」
めんどくさそうな口調。
A「…ありがとう！」
私がそういうと、ん、と言って倉庫を出てドアを閉めてくれた。
…意外と、紳士なとこあるじゃん。
びしょびしょの制服を脱ぎながら考える。
…女嫌いって言ってたけど、…優しかった。
本人は違うって言ってたにせよ、私をピンチから守ってくれて…
A「…意外と、いいやつ」
…優しさがくすぐったくて、ちょっとドキドキしてるのを誤魔化すために呟いた。
でも…着た体育着から、廉の匂いがして。
こんなに近くで嗅いだことなくて、ほんとの廉みたいで余計にドキドキしてしまう。
…もう、好きにならないって決めたのに。
A「…ふぅ。」
パンっと頬を叩いて気持ちを切り替えた。
荷物を持って倉庫を出る。
…だるそうに壁に寄りかかってスマホをいじっている廉と、目があった。
A「…体育着、ありがとう」
廉「…ぶかぶかやな」
A「ふふ、うん…笑」
なんだか甘酸っぱい気持ちになる。
そのままの流れで、2人で並んで校門を出た。
廉「…あーいうの、よくあるん」
A「うん…紫耀と幼なじみだし、男好きとかよく言われるけど…そう思われて当然だよね。」
廉は無言のままポケットに手を突っ込む。
廉「…ま、気ぃつけな。別にお前が悪いわけやなさそうやし」
…そっけない。
…けど、廉に信じてもらえてた気がして少し嬉しかった。
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しおり(プロフ) - さらさん» んふふ、直してくださってありがとうございます。笑 (2020年10月2日 21時) (
レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - しおりさん» あ…！今回、はるかちゃんという名前で書かせて頂いていまして、つい…。ご指摘本当にありがとうございます！訂正しました、本当に助かりました。 (2020年10月2日 21時) (レス) id: 3d6ce7a014 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 43話の主人公ちゃんの名前を伸ばすところが、初期設定の「はーるーかー」になってしまっているのですが脳内で読み替える感じしょうか？ (2020年10月2日 16時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - やんやんさん» うわぁぁ嬉しいです(//∇//)これからも頑張ります！ (2020年10月1日 12時) (レス) id: 3d6ce7a014 (このIDを非表示/違反報告)
やんやん(プロフ) - きゅんきゅんしました！楽しみにしています一気に読んじゃいました！ (2020年10月1日 6時) (レス) id: 97979cb1f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年9月28日 0時
