3. orange side ページ15
「おい桐山、集中しろ」
蒸し暑く溶けてしまいそうな気温の教室
半分ほど埋まった座席、黒板に書かれた課題の説明
「先生、何で俺補修なんすか?」
机に突っ伏しながら、横に立つ先生に首だけ向けて質問をする。
「テストの点が悪かったからだろ。
...ほんとに、お前どうした?」
「せんせー、そいつほっといていいですよ。」
「補修のせいで彼女に振られたんやろ?」
「振られてへんわ!」
そう、全ては補修のせい。
...いや、俺のせい。
淳太君と久しぶりに会えるということばかりが脳裏をちらついて
勉強に全く身が入らなかったのだ。
(そのせいで怒らせるとか...最低やん、俺)
「もういい、照史なんか知らん」
久しぶりに聞いた、あんな冷たい声
いつもの様に、笑ってくれると思った。
あほやんって笑い飛ばしてくれると思った。
(...もう会えないんかなぁ、俺ら)
きっと淳太君は、忙しかった。
そんな中で、俺と会う時間を作ってくれて
本当はずっと不安だった。
淳太君は、いつも大丈夫って笑ってた。
会えなくても、触れ合えなくても
大丈夫だって笑っていた。
(本当は、ずっと会いたかったんやろうな...)
じゃなかったら、あんな冷たい台詞は出ない。
だからこそ、申し訳ない気持ちが積もっていく。
(ちゃんと会いに行こう、淳太君に。)
きっと、待っていてくれているだろうから____
「え、出でった!?」
「少し前に、�霤跳�と一緒に出ていったわよ。
...桐山君、一緒じゃなかったの?」
夏祭り当日、淳太君の家を訪ねると
淳太君の姿はすでになかった。
(�陲舛磴鵑�...なんで?)
急に積もる不安
愛想をつかされてしまったのかもしれない。
本当にもう、会えないのかもしれない。
(...いやや、淳太君は絶対渡せへん。)
「ありがとうございました!」
俺は淳太君の親に頭を下げ、走りづらいサンダルで神社に向かった。
4. yellow side→←2. yellow side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭芽(プロフ) - リクで黄(生徒会長)×橙(不良)で黄は王子様キャラだけど実はドSの万年思春期、脳内ドピンクで橙の前だけ本性を現す。大嫌いな黄に毎日告白、セクハラ等されタジタジな橙でお願いします。 (2018年5月5日 9時) (
レス) id: 34949edf8a (このIDを非表示/違反報告)
蘭芽(プロフ) - ありがとうございました！お互いに惹かれ合ってもすれ違っちゃう所が切なくてあと肩の蝶にキスが二人だけのものなのも良かったです！お忙しいとは思いますが自分のペースで頑張ってください。 (2018年3月23日 17時) (レス) id: 34949edf8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彩藍 | 作成日時：2018年3月21日 14時
