west×Music Parodexi 2 ※BL

9. yellow side ページ10

授業が終わり、騒がしい放課後


「照ちゃん、今日だけでええねん。一緒に帰れへん?」


「...別にええけど。」


まだ少し感じる距離は気にしない。



外は土砂降りで

俺は黄色い傘、照ちゃんはオレンジの傘


視界が悪く、霧がかって見える通学路


雨音にかき消されないように、別れが近くなってから伝える。


「今から言うこと、意味わからへんと思う。やけど、聞いて欲しい。...照史、俺は今でも照史のこと好きやし、愛してる。ただ照史は、新しい道を進み始めてるんやと思う。やから、俺もいい加減けりつけるわ。...じゃあな、照史」


「...淳太くん?」


待って


そんな声が聞こえた気がしたが

俺は気にせず背を向けて歩き出した。


覚悟はしていた筈だが、この体を貫く別れという名の痛みが辛い。


時を超えて、2人を繋いでいた絆は綻び、解けて日常に消えていったんだろう。


さようなら、愛した人。

ここまでだ

もう振り向かないで、俺も歩き出すんだ。




「...濱ちゃんや、どうしたん?」


照ちゃんと別れた後、近くのコンビニによると濱ちゃんの姿が見えた。


「ん?ここら辺に用事あってな。なんか進展あった?」


普段と何1つ変わらない声で喋る濱ちゃん。

飲み物のコーナーの前で、陳列棚に目をやりながら


「照ちゃんに...照史にしっかり別れ告げてきた。」


「...は?何言ってんねん」


少し声のトーンが落ちた濱ちゃん。

すぐに分かる、怒っていることくらい。



「照史はもう、俺に別れ告げて新たな道歩いてるんよ。いつまでも俺が固執してたら...邪魔やろ。」


「...外出ようや。」


「...会計してくる。」


手に持ったお茶をレジに持っていき、まだ土砂降りの外に出る。

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