west×Music Parodexi 2 ※BL

5. red side ページ45

8月26日


51回目の陽が落ちる空


丘の上に並ぶ2つの影




51回目ともなると、綺麗なんていう感想は出ないけれど


陽に当たって、オレンジの光にキラキラと


照らされている流星の横顔には


いつも綺麗だと思う。



「絶対に途中で諦めると思っとったわ。」




隣で夕日の方を見つめたまま呟いた流星の言葉は


これからのことで頭がいっぱいな


俺にはいつもの冗談に聞こえなかった。




「...絶対諦めへんっちゅう覚悟あったからな。」




諦めない覚悟というよりも


諦める覚悟の方が出来ていたが。





「そんな本気になった相手、初めてちゃう?


...今度は誰に恋したん?応援しとるから」





と言って、俺の方を見てくしゃりと微笑む流星は


いつもに増して優しい顔をしていた。




(...久しぶりにこの顔みたわ。)




いつも俺が告白する時に


俺を安心させるために


笑顔で送り出してくれていた。




俺は、俺よりもひと回り以上大きな手を握る。


いつも俺の背中を押してくれた、大きな手を。




驚いて目を丸くしている流星の目を見つめる。


いつの間にか越された背のせいで


自然と上目遣いになっていた。




俺の恋を、1番に応援してくれた



そんな流星だから




「恋をした!流星に!」





「...え?」





見たことのない流星の顔


赤みをさして、先程以上に目を丸くしている。




ふわふわとしている髪を勢いよくかきむしる。



(照れ隠しの癖...昔から変わらんなぁ...)





「...好きや、流星が。」



「...遅いねん、気づくん」




とにひひと笑う俺の頬を


ぎゅっとつねる流星の手に


俺の手を添える。



ふっと、流星のつねる力が弱まる。




「流星、俺と付き合ってください」




返事はもちろん...






「よろこんで」







(あと、誕生日おめでと。)


(そういや、誕生日やったわ。

...今まで貰った中で1番嬉しいプレゼントやったわ)


(来年も楽しみにしててな?)





To be continued...?





♪ オサナナブルー

♬ Last Note.

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