west×Music Parodexi 2 ※BL

2. red side ページ42

土曜日の昼


俺らの家は隣同士だ。


2人の家の前で待ち合わせをし


慣れない丘への道を2人で歩く。




たわいのない会話をしながら


しばらく歩くと、丘についた。


今は、日の長い夏


まだ太陽は沈んでおらず、昼間と変わらない青空が広がっていた。



「ほんま、シゲは言い出すと聞かへんよな。子供やん。」



「やるって決めたからには貫き通す人って言ってほしいわ」



「ただのわがままやろ」




少し太陽が沈み、赤っぽいオレンジっぽい光が


流星の明るい髪を照らす。



そんな身体の一部でさえ


俺の心臓をうるさくさせる力を持っている。




何度も恋をして気づいたことがあった。



失恋して、流星に慰めてもらうたびに



流星のことが好きになっていた。



周りの同級生や、先輩後輩には



抱かないような独占欲に似た何かを感じるようになっていた。




意識し始めたら


エンジンがかかったように


どんどんどんどん好きになっていってしまった。






「今回も無理なんちゃう?」




「そんなことないわ!今回は絶対実らせなあかん!」



「ふーん...」





流星は相手を知らないから


冗談半分で否定するようなことを言うが


俺はそう言われるたびに


流星から拒絶されているような感覚になり


ついムキになってしまう。




日が沈み掛け、先程よりオレンジが強くなった空


そんな空を見つめながら、流星の方を見ないようにしながら聞く。




「...金曜の昼のやつ、告白やった?」


「あー...まぁ。」




別にそうだったと言えば良いのに


何をそんな濁さなければいけないのか



こんなことを聞くのは


気になって気になって仕方がないから。



流星が女の子に告白されるたび

泣きそうになっている自分がいる。



いつ流星と帰れなくなるか分からない。


昼飯も一緒に食べられなくなるかもしれない。


隣にいられなくなるかもしれない。



そう思うと、急に泣きそうになる。




「断ったん?」


「...おん、あんま知らん人やったし」


「ふーん...」




安心している自分がいる。



俺は好きな人ができたらすぐに流星に話をしに行ってたが


流星から恋愛話をされたことがない。



流星がどんな子がタイプなのか


流星は誰が好きなのか


俺は何も知らない。




ぼーっと沈んでいく太陽を見つめながら


隣にいる男に思いを馳せていた。

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