west×Music Parodexi 2 ※BL

3. yellow side ページ31

毎週木曜日


いつも通り明るい昼が訪れる。


スタジオで2人並ぶ俺ら



俺の気持ちなんて


照史は知るはずもないのに


なんとなくいつもより間が空いているような気がして


気まずい距離感を感じる。



理由なんて分かりきっている。


俺が照史への気持ちを消すために


少しずつ、距離を取っているのだ。


だから...



(そんな寂しそうな顔せんといてよ...)



cmのたびに


俺と自分の間にある少しのスペースを


切なそうに見つめてる照史が


視界の端にチラチラと移り込むから


俺は笑顔で共演者さんや


ゲストさんと話を始めた。



自分の気持ちを変えるには


広い視野を持つことも大切だと思い


最近、今まで自ら話しかけなかったような


様々な方と積極的に話すようにしている。



勿論、その中には女性の方も沢山いる。


今日のゲストさんも、俺と同じ年代のモデルさんだ。


本当は照史のことが気になるが


そちらに意識をやらないように話に集中する。



照史が俺に向かって口を開こうとした瞬間


「cmあけまーす!」


スタッフさんの大きな声がスタジオに響いた。



...

ツアーの準備中ということもあり


東京での仕事が終わればすぐに


みんながいる大阪に向かう。


大阪に向かう新幹線に乗るために


2人一緒のマネージャーの車で駅に向かう。


マネージャーはいつも運転に集中していて


俺らの声は聞こえていない。



俺はぼーっと外を見ていた照史に向かって


話を始めた。



「あのさぁ、照史」


「ん?何?」


首をこちら側に向けた照史は


俺のまっすぐ前を向いている視線に気づき


同じようにまっすぐ前に視線をやった。

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