79. Purple side ページ37
髪をタオルで荒く拭きながら、バスルームから出る。
すると、母の顔が曇っている。
「なんかしたん?」
「...望君、崇裕の学校に入学したって本当?」
どきっとした。
なぜ母がそんなことを知っているのか。
「...そう、みたいやけど。」
「...よく入れたわね、あの子が。」
母の声が低くなる。
ため息を1つつき、ダイニングの椅子に座る。
「あの子、ずっと部活をして遊んでたじゃない。
そんな子が、崇裕と同じ高校に入れるのかしら?
怪しいわねぇ...なんで受かったのかしら?
あの子達の代、出来が悪かったんじゃないかしら。」
母の口から並べられる、数々の罵詈雑言は止まらなかった。
「崇裕、ああいう子は入ってから学力が落ちていくの。
だから仲良くなんて、決してしないでね。
あなたの進学に、あんな子はいらない。」
“あんな子”
「...何が分かるん?」
「何か言った、崇裕?」
「望の何が分かるん?」
「崇裕...?」
自分でも、なんでこんなことを言ったのか分からない。
ただ、無性に腹が立った。
いてもたってもいられなかった。
「望の何を見てきたん?
...望はちゃんと努力してる、頑張ってる。
なんもしてへん人が、人の努力馬鹿にすんなや!
...俺はなんで勉強してるん?
いい大学に入って、それが何になるん?その先は?
もう俺に、なんも言わんとって。
俺の未来やから、自分で決める。
母さんの未来ちゃうから。
母さんは、俺を立派に育てたつもりやろうけど
それはただのエゴやから。
ええ加減、気づいて。
俺もう限界やから。」
「崇裕...?どこいくの!」
「うっさい。」
まるで遅れてきた反抗期のようだ。
今まで言えなかったことを全てぶつけ
俺は雨の中、シャワーからあがった薄着のままで家を飛び出た。
続く
80. Purple side→←78. Purple side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおりんご - すごく面白いです。頑張ってください (2018年7月31日 11時) (
レス) id: b890d2b513 (このIDを非表示/違反報告)
nwvd5lqZIemU6NI(プロフ) - この作品好きです 私もテスト期間なので、お互い頑張りましょう！ 更新楽しみです (2018年7月30日 0時) (レス) id: 33d05f4c85 (このIDを非表示/違反報告)
か - 更新待ってます面白いです (2018年7月26日 20時) (レス) id: 592cacc93a (このIDを非表示/違反報告)
ウルフ(プロフ) - 凄く面白いです！私は期末試験がもうすぐあるので、お互い頑張りましょう！ (2018年2月10日 15時) (レス) id: c751a453ea (このIDを非表示/違反報告)
ふじかえる(プロフ) - いつもニヤニヤしながらみてます(( 受験頑張ってください (2018年2月9日 21時) (レス) id: 1e6ee963f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彩藍 | 作成日時：2018年1月6日 19時
