west×School Parodexi 2 ※BL

77. Purple side ページ35

身体は、疲労で限界をむかえていた。



(久しぶりやわ、あんな運動したの)



足はすっかり棒のようになり、日に焼けた肌はヒリヒリと痛い。


帰りの電車に揺られながら、ぼーっと意識を働かせる。



(家帰ったらシャワー浴びて...このまま寝たいなぁ...)



そんなわがままが言えない状況なのは分かっている。


大学受験まで、後1年もない。


少しでも、勉強時間を確保しておきたい。



本当は、電車の中でも単語帳等を見るべきなのだが


体育祭にそんなものは持ってきていないし、何より身体が疲れている。



いつものホームで降り、駅から近い自宅に向かう。




「ただいまー...」




「あら、おかえり。

あ、この間言ってた新しい参考書届いてたから部屋に置いておいたわね」



「あ...ありがと。

...先、シャワー浴びていい?」



「じゃあ準備しておくわね」



「ありがとうな。」




俺は階段を上り、自室に向かう。


鞄をほおり投げ、着替えを取り出す。



勉強机の上には、ピカピカの参考書



見ないふりをし、1階へ戻る。


バスルームでシャワーを浴びながら考える。




(何で俺、こない勉強してるんやっけ...)




今すぐにも眠りたい頭で、少し記憶を遡ってみた。




幼い頃の、淡い記憶を。





ずっと母は、俺に期待していた。



母の性格上、自分の子供を立派に見せたい人で


立派な子供を育てた“私”の姿に酔いしれていた。



いわゆるママ友と言われる人達の中で、少しでも優位に立ちたかったのだろう。



そんな母は、まだ幼稚園生の俺に1番を求めた。


周りの子と何でも比較し、順位をつけていった。



もちろん、望にも。








続く

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