west×School Parodexi 2 ※BL

73. Pink side ページ30

流星がDチームに差をつけた。


Aチームも追い越すかと思われたが


その後の第3走者時に


またAチームとBチームが並び


Dチームも少し距離を縮めた。




勝負の鍵は


アンカーが握っている状態




(ここで少しでも頑張れば...)




濱ちゃんに見てもらえるかもしれない。



生徒会を通して、ここ数週間過ごしてきたが


距離は縮まるどころか開いていくばかりだった。



未だに濱ちゃんと呼んだことはないし


まともに目を合わせたのは、俺が初めて生徒会に来た日以来1度もない。




だからせめて、濱ちゃんの中の俺の株を上げようと思い


考えついたのが


頑張っている姿を見せる、だった。




だから先程の騎馬戦では


先輩をおぶってまで、救護して


少しでも頑張るようにした。




そしてこのリレー


もし俺が1年のタイム賞をとって


全体のタイム賞もとることができたら


少しは俺を意識してくれるかもしれない。



ただ、全体のタイム賞を争う相手はシゲと濱ちゃんだ。


先程シゲの走りを見たが、速かった。



正直、受験勉強中はほとんどサッカーをしていなかった。


現役で部活動に勤しんでいた頃は、毎日ランニングや筋トレをしていたが


今はそれもない。


全員リレーではぼちぼち速かった方だと思うが


あんな走りでは昨年のタイム賞の濱ちゃんどころか


シゲとも争えないレベルだ。




(...がむしゃらに走るしかないか...)




後ろに目をやれば、バトンを持ったクラスメイトの姿


2人の走者が、俺の横をかけていった。




手の上に乗せられたバトンを


確かに手に握りしめる。



前の2人よりももっと先


ゴールテープだけを見つめて


俺は走り出した。

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