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69. Green side ページ26

後ろから聞こえる足音


状況は先程と変わらない接戦状態


軽く足首を回したりしながら、出番に備える。



先にDチームの走者がバトンをもらい、走り出した。


俺は先に行くその背中を少し見つめて、後ろに手を伸ばした。



ほんの数秒の差で先にCチームの走者がスタートして


すぐに俺も走り出した。



黄色のバトンをぎゅっと握る。


離さないように、落とさないように



走っている間、余計なことを考えている余裕はなかった。



ただただ足を動かして


前でスタンバイをする流星だけを見て


周りの音も、今の俺には聞こえない。




そんな俺の耳が


唯一拾った音は


バトンを渡した瞬間の


流星が言った




「まかせろ」



だけだった。




流星がバトンを握ったのを確認し


手を離す。



手は汗でじっとりと濡れ


額にも汗が滲んでいた。


息が苦しく


ぜぇはぁ言う俺の声が聞こえる。




ジャージが張り付くほど汗をかいた背中に


何か大きな衝撃を感じた。




「神山すげぇじゃん!Cのやつ抜いたぞ!」



その衝撃は、席が近くのクラスメイトのものだった。



腕を肩に回し、俺の横に来て


キラキラとした目で俺を見る。



「あっ、うん。そうみたいやね」



「そうみたいって人事みたいに言うなよ!」



なんて言いながら笑っているクラスメイト



ここで俺はようやく気がついた。




(俺、抜かしてたんや...)



どれだけ夢中で走っていたのか


抜かしたことすら気が付かないだなんて。



ただ、気づいた瞬間にこみ上げてくる喜びの感情に


思わず頬が緩んでしまう。



それを誤魔化すかのように


ふとレーンに目を向ければ


流星がDチームの走者と並走していた。




そして次の瞬間



大きな歓声と共に



Dチームの走者を抜き去った流星が



ふっと笑ったのが見えた。




続く




✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄


ふじかえる 様


コメントありがとうございます!
受験は逆転Winnerを聴きながら頑張っています(笑)
まだまだ終わりが見ない小説ですが
westの高校生活を覗いているような気持ちで
これからも見ていただけると嬉しいです!

70. Green side→←上記追記



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あおりんご - すごく面白いです。頑張ってください (2018年7月31日 11時) (レス) id: b890d2b513 (このIDを非表示/違反報告)
nwvd5lqZIemU6NI(プロフ) - この作品好きです 私もテスト期間なので、お互い頑張りましょう! 更新楽しみです (2018年7月30日 0時) (レス) id: 33d05f4c85 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってます面白いです (2018年7月26日 20時) (レス) id: 592cacc93a (このIDを非表示/違反報告)
ウルフ(プロフ) - 凄く面白いです!私は期末試験がもうすぐあるので、お互い頑張りましょう! (2018年2月10日 15時) (レス) id: c751a453ea (このIDを非表示/違反報告)
ふじかえる(プロフ) - いつもニヤニヤしながらみてます(( 受験頑張ってください (2018年2月9日 21時) (レス) id: 1e6ee963f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩藍 | 作成日時:2018年1月6日 19時

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