west×School Parodexi ※BL

9. Green side ページ9

先生の声と、その騒がしさで目を覚ました流星が

「ん...なんすか?」

と寝惚け眼で返事をした。


そこで初めて流星の顔を見た女子生徒は、
黄色い声にも似たような小さな声でざわざわとし始めた。

周りの男子も流星に注目している。


俺は心の中に何か、モヤッとしたものを感じた。

表現しづらいこの感情。

小さい時に、家の中に自分だけが知っていたお気に入りの場所があって、

今思えば、秘密の場所でもなんでもない、ただの狭いスペースなのだが。

その場所が親に見つかり、家族などに

「ともってばあそこがお気に入みたい」

とバラされたことがあった。

あの時に、幼いながらに感じたあの感覚と似ている。

まるで自分だけが知っているお気に入りのものが、みんなに広まってしまうようななんとも言えない感じ。

それは、独占欲に近い何かのような気がした。

別に、流星のことを独占する理由も権利も俺にはないのに。

(なんやねん...)


この空気感も感情も。


俺にはただただ不快でしかなくて。

俺は1人目を背け、不貞腐れていたのだった。



続く

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