west×School Parodexi ※BL

5. Green side ページ5

流星と一緒にいたからか、先程まではなかった緊張が一気に俺を襲う。

神山と藤井では大分出席番号の間が空いてしまった。
周りには全く知らない人ばかり。
重々しい空気感がさらに緊張を掻き立てる。
静かな体育館に俺の心臓の音だけが響いているよう聞こえる。
その時、キーンと言うマイク特有の不快音が鳴り、

「平成29年度...」

落ち着いた50代位の女性の声のアナウンスが流れた。

...

「在校生代表の言葉、3年B組、桐山照史」

「はい。」

式はどんどん進み、あっという間に在校生代表の言葉へ。
桐山照史と呼ばれた先輩が俺ら後方の席を立ち、真ん中の赤いレッドカーペットを綺麗な姿勢で歩いていった。
ブライトイエローのネクタイにブラックのネクタイピン。
あれが3年生と言うことはさっきの受付の先輩は2年生か。
少し焼けた褐色肌、細身とは言い難いが、しっかりとした体、短い黒髪。
俺らとの圧倒的な差はその態度。
真っ直ぐと正面を見つめる真剣な眼差し。

(これが3年生か...やっぱ中学生とは比べ物にならへんな...)

喋る言葉１つ１つが丁寧ではっきりとしていて、意志を持っている。
礼をして去る姿もまたかっこよかった。

(俺らもこうなんのかな...)

俺はただ先輩が去った演台を見つめていた。



続く

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