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21. Orange side ページ22

ふと、顔をあげるとそこには、濱ちゃんとその後ろに、驚きの表情を隠せない、少し小さな男の子がいた。

ネクタイの色から、今年度の新入生と言うことが分かる。


「あれ?淳太おらへんの?...てか後ろの子誰?見たことある気するんやけど....あっ!!さっきのイケメンと一緒にいたちっちゃい可愛い子や!」


驚いたのか、シゲのマシンガントークが始まる。

そのトークの内容から、どうやらこの子を知っているようだ。

男の子は混乱した様子で、反応が取れないでいる。

俺は、助け舟を出すつもりで


「シゲ、もうやめたれや...で、その子ほんまにどうしたん?」


と、少し前に出た。


すると、男の子はまた驚いた表情をしたが、その目はすぐにキラリと光った。

男の子が話を始めない様だったので、濱ちゃんが口を開く。


「中間先生、職員室寄ってから来るって。この子、今日会議見学する子。」


「見学」、少し懐かしい響きだ。

ちょうど、去年の今より少し遅い時期、シゲも見学に来たことを思い出す。


「見学!?生徒会入ってくれんの!?」

とシゲがさらに騒ぎ始め、戸惑う様子の男の子に自己紹介を促すと


「とりあえず、名前なんていうん?」

「あ、1-Bの神山智洋です。今日は、よろしくお願いします!」


と頭を下げる。

1-Bと言うことは、中間先生のクラスだ。

もしかして、俺と同じように声をかけられたのかもしれない。


声をかけられたのが俺だけだったので、何となく、中間先生と俺の「特別」が一つ消えた気がした。

声をかけてくれた優しいところを好きになったはずなのに。

その相手は俺じゃなければ嫌なんて


(自分勝手もええ加減にせえよ、俺。)



「とにかく、中間先生が来るまで会議始まらへんから、そこに座って待ってよか!」


そんな馬鹿みたいなこと考えている頭をリフレッシュさせるように、俺は笑顔でこの「神山智洋君」をもてなすことにした。



続く

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彩藍(プロフ) - にゃにゃ子さん» ありがとうございます!更新はとてもゆっくりなのですが、続編の方もよろしくお願いします! (2018年1月13日 9時) (レス) id: 0d0bec4c4d (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ子 - 今回、初めて読んだんですけど、すごくよくて続きが早く読みたいです (2018年1月13日 1時) (レス) id: ab22ae88eb (このIDを非表示/違反報告)
Kismyft21202(プロフ) - はじめまして!!作品楽しく読ませて頂いてます!!私は緑担なのでとても嬉しいです!!これからも最新無理せず頑張って下さい! (2017年12月12日 23時) (レス) id: 86ca4742eb (このIDを非表示/違反報告)
智哉(プロフ) - はじめまして!作品楽しく読まさせていただいてます!わたしは、黄橙、桃紫、青緑の組み合わせ、かなり好きなので、更新楽しみにしています! (2017年12月12日 17時) (レス) id: e92eef80d4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭芽(プロフ) - 私も橙担です笑いつも更新楽しみにしてます。これからも頑張って下さい! (2017年12月12日 7時) (レス) id: 568cceb099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩藍 | 作成日時:2017年12月10日 23時

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