60話 ページ11
「もし盗んだ能力を自在に使えるとしたら脅威じゃの。
だがそれは盗む前のリスクの高さを意味する。でなければ、それだけの能力は得られまい。」
ゼノさんは話を続ける。
そのとおり、あの能力は私の手錠と違い、発動するまでの条件が面倒なのだ。
「4つか...5つ、
ワシら2人、そしてそこにいる娘1人と戦いながら条件クリアをするのは至難。
つまり、ワシらの能力が戦いの最中に盗まれることはまずあるまい。
毒ナイフでの威嚇がよい証拠じゃ。」
蜘蛛の頭は話を聞いた後、ナイフを捨て念能力を発動する素振りを見せた。
「シルバ、サポートせい。ワシがやつの動きを止めたらワシもろともで構わん、殺.れ。」
「了解。」
ゼノさんは手にオーラを集中させている。
なにかをやる気だ。
直後、蜘蛛の頭はあの能力を発動させた。
"
おそらく時間稼ぎの為、なにか能力を出した。
ゼノさんは静かに近づく、蜘蛛の頭の考えていることを私と同じように読んでいるのだろう。
"
"
ゼノさんの攻撃を避けるものの、枷になるであろう本は持ったまま。
私のときもそうだった。あれも条件の一つなのだろう。
旅団の頭が本を閉じると能力は消えた。
攻撃を交わしながらシルバさんへの警戒も怠っておらず、私から見てもかなりの戦闘センスだ。
シルバさんに一瞬気を引かれたすきに、ゼノさんがすかさず攻撃を加えた。そしてまた素早い殴り合いになる。
「今じゃ!!殺.れ!!!!」
ゼノさんの掛け声と同時に背後からシルバさんが攻撃。
大きな音と爆発による煙で一瞬、部屋一面が見えなくなった。
少し経つと煙の中から着信音のような音が聞こえた。
「イルミか。」
"「うん、オレの依頼人は?」"
「ここにいる。」
黙ってみていると瓦礫の中からゼノさんと蜘蛛の頭が顔を出す。
"「あ、今戦ってたの?まだ彼生きてる?」"
「間一髪。」
"「あー良かった。あ、今そっちにAいるでしょ。変わってくれない?」"
シルバさんはこちらに来て、無言で機械を私に渡す。
"「やあA、家で会った以来だね。キミの依頼主の十老頭はオレが始末したから多分もう組織の指示で動いても意味ないよ。」"
『蜘蛛の頭からの依頼、だな。もう殺ったのなら仕方がない。』
"「依頼主にも伝えといて。」"
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霧雨咲夜@暇人(プロフ) - とっても面白いです！応援してます(o^∀^o) (2020年10月4日 16時) (
レス) id: 6ad849c206 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナイル/手裏剣 | 作成日時：2020年8月2日 17時
