【オリジナル】彼女たちは。 (ページ3)

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彼女たちは。ページ3

彼女たちは私達、故人のせいで悩まされている。

そう。全ては私達のせいだ。
彼女はそのあと暴動の主犯格として捕らえられた。

幸い終身刑は免れた。

彼女は10年間牢獄にいた。

そして…出所した。

それは中学校の同窓会の日だった。

「あ！久しぶり！！！やっと出れたんだね～！」

『あぁ…。……やっぱりそう簡単には変わらないのか…世界って。』

彼女は出席している人数を見ていった。
その光景はまぁ異様である。
中学校の同窓会のはずなのに、人数は15人程度。

これは彼女が暴動を起こした理由と関係する。

『今、いない人全員…？』

「…うん。みづきちゃんもこの間まで元気そうだったのに…。皆、かかっちゃった…カンセンショウに…。」

『…。』

【カンセンショウ】それは、私達のせいで発症したもの。私達が温暖化を後回しにしていたせいで、世界中でカンセンショウが最も有名な病気になった。
毎日世界中で15万人はカンセンショウで亡くなっている。

『…そ、っか。』

彼女はそう小さく呟いてーーーーー

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私は静かに読んでいた本を置き冷め切ってしまった紅茶を啜った。

…この本の作者は何を伝えたかったのだろう。
太宰治のようにこの作者は本を出版後亡くなった。

「彼女たちは。…かぁ…」

作者がまだ生きていたならば、この本について語り会いたかったな…と考えながら読み終えてしまった本を本棚に置いて、寝室へ向かった。

「～～～～…Aさんが今日の昼ごろ、感染症で亡くなられました。これで日本だけで1051人目の犠牲者です。みなさんもお気をつけてお過ごしください。」

そんな声がテレビから聞こえた気がした