第十一話 舞踏会 ページ12
『はぁ、緊張する。』
恵「大丈夫ですよ。きっとお嬢様の美しさに息をするのも忘れますよ。」
『言い過ぎだよ。』
あたしは恵里さんと舞踏会の会場に向かいながら話す。
あたしは鬼殺隊に長い間いたから会場にいるお偉いおじいさんやおばあさんはあたしの認識は小さい頃のあたし。
それにあたしを知らない人だっている。
やっぱり知らない人の前に行くのは緊張する。
『とりあえず。失礼のないように。』
恵「お嬢様なら大丈夫ですよ。」
『そう?』
恵「私は私自身が心配です。」
『恵里さん何しでかすか分かんないもんね。』
恵「ハイ…。」
しょぼんと落ち込む恵里さんにあたしはにっこり笑う。
『でもそれって恵里さんが優しいって証拠だよね。』
恵「え?」
『だって恵里さんが何かしでかす時っていつも誰かのためだから。あたしそんな恵里さん大好きだよ。』
恵「お、お嬢様〜っ!!」
『わぁ!』
いきなり抱きついてきた恵里さんにあたしは笑いながら、恵里さんに合わせて歩く。
恵「…でも、それならお嬢様だってそうですよ。」
『なにが?』
恵「お嬢様はいつも誰かのために頑張ってます。誰かのために努力してます。誰かのために命さえ賭けています。それほどな人、滅多にいませんよ。」
恵里さん…。
『そうかな…。』
恵「はい!私が保証します!これなら命だって賭けれるぐらい自信があります!」
『あははっ。大袈裟だなぁ。』
そうして恵里さんと話している内に舞踏会前の扉に着く。
『それじゃあ入ろっか。』
恵「そうですね。」
そう言って恵里さんがゆっくりと扉を開けてくれる。
扉の開く音と同時に会場にいた人達が一斉にあたしを見た。
『ありがとう、恵里さん。』
恵「いいえ。お嬢様の使用人として当たり前ですっ。」
あたしは恵里さんににっこり笑ったら、その笑顔のまま前を見る。
そしてドレスを小さく摘んだら小さく礼をした。
そのまま恵里さんと一緒に会場に入っていく。
『なんだか、とっても見られてる気がする。』
恵「皆さん、お嬢様の美しさに見惚れてるんですよ。」
『もぉ、恵里さんってば。』
そんな訳ないじゃん。
あたしは会場の中心まで来ると、立ち止まって恵里さんを見る。
『まずは顔見知りの方全員に挨拶してこよっか。』
恵「そうですね。」
あたしは恵里さんと顔見知りの方に挨拶しに行こうと一歩足を出す。
『ッ!?』
恵「お嬢様?」
嘘…。
どうして…。
どうしてこの会場から鬼の気配がするの?
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作者名:暁月 | 作成日時:2020年7月17日 23時