31話「怒らせたらやばい人」 ページ32
「ご、五本の指ィ!!!!?」
「で、今は2年生にして主将!!!去年、錆兎先輩が入部するまでは、廃部寸前の不良のたまり場見たいなとこだったらしいんだ。けど、そいつらと先輩がタイマンはって、錆兎先輩が勝って、その人達全員追い出して」
「ひ、ひぇ…」
「んで、去年の夏の大会錆兎先輩がすげぇ活躍して、全くの無名だったうちの学校の剣道部が一躍有名になったって訳。だから、うちの部には3年がいないんだ」
錆兎先輩ってそんな強い人だったんだ…絶対怒らせないようにしよう。てか、私結構舐めた口きいてない?え、もう手遅れ?締め上げるためにここに呼ばれたパターン??
「や、山本くん!!私がもしもの時は助けてね!!!クラスメイトとして男として助けるべきだよなそうだよな!!!!!」
「ど、どうしたいきなり…大丈夫か?」
「ごめん大丈夫。ちょっと命の危険感じただけ」
「それは大丈夫そうじゃないな!?」
「それはそうと、じゃあそんな錆兎先輩が慕うってことは、さっきの鱗滝さんも相当な実力を…?」
「ああ。俺も最初はびっくりしたけどな。色んな意味で。面つけてるし。2年の他の先輩でさえ素顔見た事ないって聞くし」
「それは色んな意味でやばいな」
「でも、実力は本物だ。その錆兎先輩でさえ1度も勝ててない。勝負見ててわかる。あの人は化け物だよ」
「コーチを化け物扱いなんて、いいの?」
「いい意味でだよ!そんだけ凄いってこと!」
焦る山本くん。これは相当スパルタにやられてるな。さっきも、鱗滝さんが入った瞬間、みんな凄い勢いで挨拶してたし。
「悪い、待たせたな」
「あ、さ、錆兎先輩。聞きましたよ〜めちゃくちゃ強いらしいですネ!!でも!!こっちにはこの山本くんがいるんで!!!!!」
「?なんの話しだ?」
「さ、さぁ、俺にもさっぱり」
「そうだ。今から手合わせ稽古するんだ。そこで見て行ってくれ。山本、準備するぞ。椅子サンキュな」
「は、はいっす!!!」
嬉しそうに去っていく山本くん。ほんとに錆兎先輩に憧れてているんだな。ちゃんと見とけよ、と言い残し、錆兎先輩もその後を追う。
気づくと、私のすぐ隣には鱗滝さんが腕を組んで立っていた。き、緊張する。一言二言会話をしていると、試合開始の声が聞こえた。
手合わせ稽古……模擬試合みたいなものかな。剣道、何となくしか分からないけど大丈夫かな。ちゃんとしたルールあんま知らんのだ。
数十分後、そんな不安は見事にかき消された。
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雲雀浬 - あっ!言い忘れてた、剣道部でーす!続き楽しみにしてるよ!頑張ってね! (2020年5月15日 2時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
雲雀浬 - はじめまして!雲雀浬です!すっごく面白いです!伊之介可愛い!!!!むふふ♪あっ!あと、冨岡さんは、ウ冠ではなく、ワ冠ですよ!続き、頑張ってください!! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - すれぃさん» 山本氏書きやすくて…ついつい多めに出しちゃってますね……笑 優しくていい子なのでそれもありですね!おっと誰か来たようです(茶番やめな) (2020年5月14日 17時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
すれぃ - もうなんだか山本くん落ちでも良い気がしてきました(あかん) (2020年5月13日 22時) (レス) id: a4dc3297d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - メイアPさん» 嬉しいコメントありがとうございます!そうですね…自粛が続き、ストレス溜まりやすかったりしますもんね…そんな中で少しでも楽しんで頂けたなら本望です…!更新頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月28日 12時