26話「野生の勘ってやつすわ」 ページ27
「なんだ君!!ずっと鮭大根ばかり食べている変なやつだと思っていたが、話がわかるじゃないか!!」
「は、はぁ…」
なんだなんだ、肩組んでるそあの2人。いや、厳密にはあの酔っ払いが絡んでるだけか。さっきまであんなだったのに、先生何言ったんだろう。そして残った二人はアルバムにスマホを向けている。何してんだ。
時間も時間になり、先生と竈門くんが帰るらしい。泊まっていけばいいのに、とママンは言ってたけど流石にそれはだめですね。明日も普通に学校だし。
「お気持ちだけ頂いておきます。お邪魔しました。久しぶりに大人数で食べるご飯、楽しかったです。パパさんにもそうお伝えください」
ソファーでいびきをかいているぱぱ。もう!とママンが頬をぺちぺち叩いたが、「んがっ!」と発したっきり再び眠ってしまった。
「竈門は俺が送っていくから」
「…はい。お世話になります」
「じゃあ、むいくんは私が送っていくね」
「やった」
外に出て、むいくんが準備をするのを待っていると、竈門くんが先に出てきた。さっきの唇に触れられたあの光景が頭をよぎる。…ちと気まずい、かな。素直に顔見れねぇ〜〜〜〜私ってばちょろすぎ〜〜〜〜
「青柳さん、今日はごめんね。ありがとう」
「あ、うん、こちらこそありがとう。色々、」
「…どうかした?」
「え?あ、いや、えと、べつに、なんでも」
はは…と誤魔化しながら、竈門くんを見れずにいると、顔を覗きこまれた。ブェッッッッ!!
「な、なに?」
「……そうやって、もっと意識して。もっと俺を見て。俺しか見られないように、……俺だけの…」
「へ…」
「……なんてね。先生が待ってるみたいだ。じゃあ、また明日な!!」
「あ、うん、また…明日…」
ブンブン手を振って先生の車に乗り込む竈門くんはいつもの、同じクラスの学級委員の竈門くんだった。なんだろう、今さっき一瞬だけ……全然知らない人みたいだった。
「Aおまたせ。準備できたよ。……A?」
「……ん?あ、ごめんごめん。ぼーっとしてた。行こっか」
「うん」
むいくんを家まで送っていく時、色々話しかけてくれたけれど正直あまり頭に入って来なかった。「足、やっぱり痛い?見送りやめる?」と心配されてしまった。顔に出てたか。
まるで別人だったあの目、あの喋り方。言葉でどう言ったらいいのか分からないけど、少しだけ胸騒ぎがした。あの目をした竈門くんは…
「……ちょっと苦手だ」
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雲雀浬 - あっ!言い忘れてた、剣道部でーす!続き楽しみにしてるよ!頑張ってね! (2020年5月15日 2時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
雲雀浬 - はじめまして!雲雀浬です!すっごく面白いです!伊之介可愛い!!!!むふふ♪あっ!あと、冨岡さんは、ウ冠ではなく、ワ冠ですよ!続き、頑張ってください!! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - すれぃさん» 山本氏書きやすくて…ついつい多めに出しちゃってますね……笑 優しくていい子なのでそれもありですね!おっと誰か来たようです(茶番やめな) (2020年5月14日 17時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
すれぃ - もうなんだか山本くん落ちでも良い気がしてきました(あかん) (2020年5月13日 22時) (レス) id: a4dc3297d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - メイアPさん» 嬉しいコメントありがとうございます!そうですね…自粛が続き、ストレス溜まりやすかったりしますもんね…そんな中で少しでも楽しんで頂けたなら本望です…!更新頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月28日 12時