同級生はどうやら頭がおかしいらしい。【鬼滅の刃】

19話「顔が良ければ全てよし」 ページ20

「冨岡先生がどうしたら結婚できるか」について語り合っていると(主に私が一方的に)、学校の前を通り過ぎる車。あれ、てっきり学校で降ろされるのかと。


「その足だと帰るのにも一苦労だろ。家まで送る。親御さんにも説明しないといけない」

わーやったぁ。らっきー！先生もやる事多くて大変だなぁ。まぁうちの親、涙の数だけ強くなれる精神(？)だから、お前怪我したのがガハハ！！って笑い飛ばされるだろうよ。モンペじゃなくてよかったネ。

緊張しているのかいつにも増して表情が硬い先生。面白いから黙っておこう。先生って大変だなぁ(2回目)。


軽く道案内しながら、到着。バタンっと車のドアを閉める。確かまみーがいるはず。呼んでくるか。

右足の違和感と痛みがあるせいでどうしても歩き方が変になってしまう。これ結構不便だな。

ひょこひょこ歩いていると、ガシィ！と腰の当たりに回された手。抱きつかれた衝撃でちょっと転けそうになった。ふんぬ！！踏ん張れ私の体幹。


「A！！今帰り？」

「アラァ、誰かと思ったら！むいたん！」


「姿が見えたからつい抱きついちゃった」と可愛い笑顔を浮かべる無一郎くん。近所に住む中学生だ。今どきにしては少し古風な名前だが、天使のようなお顔のむいたんにはそれさえも武器になる。要はギャップだよね、女子はみんな好きだろ。

親同士も仲が良く、一緒にキャンプへ行ったり温泉に行ったりと家族ぐるみで交流があるのだ。ご両親共働きのむいたんはよく家にご飯も食べに来たりする。1人のご飯て寂しいもんね。


「て、え、Aどうしたのその足…！しかも汚れてるし。汚いから早くお風呂入りなよ」


先程とは一転、一瞬で離れるむいくん。はっや。おい温度差どうした風邪ひくわ。しかし顔がいいから許せちゃうんだなこれが。


「ちょーっと遠足で色々あってね。汚くて悪いんだけど、手貸してくれたら嬉しいな」

「当たり前でしょ。ほら、掴まって」


むいたんおててスベスベ！！！やっべ！！！！！……あれ、これ私もしかしなくても変態みたい？

有難くスベスベおててに掴まって玄関に向かう。あ、冨岡先生先に行ってインターホン鳴らしてるわ。気づかんかったでほんま。

「はーい！」と元気な声で返事をして出てくるマッマ。一応カメラとか付きの高性能のブツだから、部屋の中からでも会話できるし、誰が来たのかちゃんとカメラで確かめてから出なさいってパパンに言われてるのに。パパンに報告だな。

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