39話 ページ39
確かに若い子は多い。
でもあまり目で追っていると本気で怪しまれるから、基本的には視線は本に落として。
気が向いたらページを捲り、考え込むフリをしながら探す。
そう、偶然を装って。
目的に気付かれように。
「あれ、鬱先生？」
待っていれば、一番聞きたい声が聞こえてくる。
「お、Aちゃん、邪魔してるよ」
「珍しい、いつぞやの話を本気にして女の子引っ掛けに来たの？」
「そうしたいのは山々なんやけど、ちゃんと用事があって」
「そうなんだ。なにか聞きたいことあったら来てね。カウンターにいるから」
「うん、ありがとう。
今日さ、仕事終わり空いてる？」
「空いてるけど」
「よかったら一緒に晩メシ食いに行かへん？」
「いいよ。まだ２時間くらいあるけど」
「待ってる。というか僕の方が２時間で終わるか分からんわ」
「わかった、頑張ってね」
小走りで立ち去るAちゃんをロックオンしながら改めて決意を固める。
この想いは一目惚れと、人のモノが欲しいというちょっとした不純。
可愛いし、良い子だし、ウィットに富んでるし。
それに謙虚すぎて、空気を読むのに必死で、そのままでいいよって可愛がりたくなる。
いつもの調子でいても良かった。
でも、僕はもう、それでは満足できなくなりつつある。
こういうアプローチはAちゃんの望むものじゃないだろう。
オスマンの反応を見ていたらなんとなく察しはつく。
しかしここで下がれば男が廃る。
似合わないやろうけど真面目なんや。
今晩、僕は決めてやる。
少しの不安は見逃してな。
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
