36話 ページ36
「もう１杯〜」
「やめとけってオスマン、ベロベロやんけ」
「今日は飲むの!!吐くまで!!だから付き合ってぇ、グルちゃぁん」
「いやだ」
「いけず」
この自暴自棄な飲み方はたぶん、私のせいなんだろうな…。
申し訳ないと思うけど、真摯に想ってくれるマンちゃんに対して私が情でお付き合いするのは失礼だと思う。
だからお兄ちゃんのままで、という返事には何一つ異存はない。
申し訳ないけど。
「A、時間、大丈夫か？」
「うん、明日休みだし、別にここに厄介になってもいいかなって」
時計を見れば、もう今日だけど。
「厄介って、曲がりなりにオスマンの部屋だぞ？」
「それが？お兄ちゃんだし？それにこの感じ、グルさんもトンさんもマンちゃんに付き合うんでしょ？」
「一応そのつもりやけど…」
「お前はダメだ」
「なんで」
「男同士の話ってやつや」
「えー…」
「聞き分けろって。トントン悪い、オスマン見といて」
「え？あ、うん」
そう言うとグルさんは立ち上がり、私に向かって顎で玄関に向かってしゃくる。
「送るから。帰るぞ」
「…はーい」
街灯の下をくぐりながら静かな夜道を歩く。
グルさんが少し前を進むのについて行く。
「…振ったやろ」
突然グルさんは呟く。
「オスマン、お前に告白したんだろ？」
「なんで分かるの」
「何年の付き合いやと思ってんねん。それに、オスマンから軽く宣戦布告は受けてたし、あの飲みようを見たら分かるわ」
「グルさんにうかうかなんでも話せないね」
「なぜそうなる」
「素直な感想だけど」
「言うときは言うわりに気にしすぎ。オスマンが荒れてるのに罪悪感感じてたろ？」
随分先に進んだことを気付いたらしい。
街灯の下で足を止め、真剣な表情で問うてくる。
「…はい」
「気にすんなアホ。Aなりの誠意のもと断ったんやろ。オスマンも今だけや」
な？、と小さく付け加えながら追いついた私の頭に手を置く。
「ありがと、グルさん」
「俺はこのままだと気分が悪いだけだし」
「少し気が楽になった。でも、その手は下ろしてもらっていい？」
「なんで」
「なんか、脳内を読み取られそうで怖い」
「こんなことせんでもわかるわ」
「こっわ」
「何年お前の兄ちゃんやってると思ってんねん」
「ちょ、髪の毛ぐしゃぐしゃになる」
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
