35話 ページ35
コミケも終わり、地元に戻った頃には当然夜。
駅からはマンちゃんの車で送ってもらうことになった。
鬱先生とコネシマはシャオロンに回収され別れる。
「お疲れさん」
「マンちゃんこそ。送ってもらって、ありがとね」
「全然、明日休みやし」
「私も」
「そやったら、ウチ来て飲む？ちっちゃく打ち上げみたいな」
「行く!!」
といつもの調子で答えてからコネシマとの話を思い出してしまう。
２人きり、だね。
今もだが。
意識するからいけないんだ、いつも通りに。
だってマンちゃんもいつも通りじゃないか。
「よかったら一応２人に声かけといて？」
運転しながら明るくマンちゃんは言う。
「２人？」
「グルッペンとトントン」
「あ、呼ぶんだ」
「え、なに？２人でしっぽり飲みたかった？」
「んー、どうかな」
「そこは嘘でもそうって言うてよ」
「早、来れるって」
「じゃあ、酒買って来いって言うといて」
「りょーかい」
すぐに到着し、マンちゃんは部屋の掃除を簡単に始める。
いや、片付けるとこなんてないじゃないですか。
「なにか手伝う？」
「いや、座っとき。すぐ終わるし」
そうは言われても落ち着かない。
シンクの洗い物が目に入り、洗いはじめる。
「いいのに」
「手空いてるから使って？」
「じゃ、頼むわ。
でもそうやってキッチン立ってると、Aが俺の嫁さんみたいやな」
「私なんかがマンちゃんのお嫁さんなんておかしいよ。可愛い綺麗な気立ての良い人じゃないと似合わないよ」
「俺は、Aがいいけどな」
その声はすぐ後ろまで迫っていて。
「なあ、俺ってAにとってなんなん？」
「マンちゃんは、お兄ちゃん、かな…」
「好き、って言ったら嫌う？」
「マンちゃんのこと好きだよ？その、お兄ちゃんとして」
「付き合って、って言ったら怒る？」
私が好きなのは、もっと頼りたいのは、マンちゃんではない。
そんな気持ちしかないのに、安易にマンちゃんと付き合うことなんてできない。
「ごめん、マンちゃんには、お兄ちゃんでいて欲しい。
その気持ちは嬉しいし、怒らないけど」
「…わかった。
うん、これで俺もケリついた」
あいつら呼んどいてよかったわ、とクシャっと笑うマンちゃんが切ない。
「そんな気はしてたから。ま、これからも兄ちゃんの世話、頼むな」
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
