32話 ページ32
この前の相談とか、遊園地での様子がずっと気になっていた。
でもこの前一緒にメシ食ったばっかだしなあ、と思って、ロボロとやろうと言っていたマイクラ裏作業に声をかけた。
『大丈夫、どうせ考え事しちゃって眠れないし。どこやればいい？』
考え事、かあ。
聞き出したいとは思うけど、Aの意思を無視して喋らすのも悪い。
「庭つくって。建物の輪郭はわかるやろ？」
『この丸石ゾーン？』
「そうそう」
『来たで』
遅れるとか言って時間通りやん。
なんも聞けないで終わりやんか。
自分の積極性の薄さにため息をひとつ。
そんな中新しいセッションの話になる。
『じゃその方向で詰めてみるね。そうすればゾムもPLで参加できるし…』
Aのトーンが少し下がり、言葉の終わりがぼやける。
「A、どうかした？」
反射的に聞いていた。
『うん？ううん、動画にするんだったら普通に公開するんじゃなくて、シナリオ本購入者の特典みたいにすればおいしいかな、って』
その声に本音は入っていない。
咄嗟に逸らした発言だ。
話し続けるAの本音の糸口を探しながら作業を続ける。
『２人に聞きたいんだけどさ…』
『なになにー？』
「どした？」
『私、ここで遊んでていいのかな？』
投げかけられた言葉に、俺はAが初めて泣いた日を思い出した。
自分のことを１番に考えればいいのに勝手に苦しくなってる弱い子を見たあの日が蘇る。
「またそれか…」
気にすんな、それくらいで変わるほど俺はガキじゃない。
近づくことはあっても離れることはない。
なんて言ったら、Aが意識して離れそうで怖い。
それが俺の本音なのに。
結局いっしょやんけ、Aと。
言えなければいっしょやん。
せめて、とスマホに手を伸ばしLINEを開く。
なんとか言葉を探して、触らない言葉を紡いだ。
トントンしんどいなら抜けてもいいよ?
ちゃうわ、こんな綺麗な意味のない言葉じゃなくて…!!
『私も楽しくて続けたいからこんな風に悩むんだけどね』
ポジティブ変換をしたようだがそれは解決にならない。
周りが進もうとしてるんだから、止まっていてもまた悩むだけやぞ。
A好きだから辞めない
『だから、意地でもみんなと遊び続けるよ？』
LINEとほぼ同時にAは結論を述べた。
『悩んだり直ったり、情緒不安定かよ』
茶化すのが精一杯だった。
強がらんといて、俺はどんなAでも味方するから、と打って全て消した。
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
