26話 ページ26
「「「「じゃんけんぽん!!」」」」
「ねえらんらん、ここから逃げない？」
男どもはジャンケンにいそしむ。
お化け屋敷に入るペア決めらしい。
怖がりの私とらんらんのそれぞれのパートナーを決めるだけなのに、なんだあの大人たちは。
「逃げられるかなぁ」
「ずっとあいこになってる今ならいけそうじゃない？なんかケチつけてるし」
「じゃ、逃げるか」
それを全部聞く前にに左手が猛烈に引っ張られ走ることが余儀なくされる。
ト「あ、逃げた!!」
グ「追え追えー!!」
う「往生際悪いぞ、げどちゃん!!」
振り返るとシャオロンとマンちゃんが無言で追ってくる。
「らんらん、来てる来てる!!」
「おりゃああああああああああ」
人生でいちばん全力で走ってる気がする。
「A、避難しよう」
「どこに!?」
「わかんない!!」
「じゃあアレ」
咄嗟にアトラクションを指さす。
息が切れた大人２人、ゴンドラの中。
「でも時間の問題だな。降りたら捕獲される」
「なんで楽しい遊園地なのにお化け屋敷入らなきゃいけないの」
「その通り」
そこまで話をして気付いた。
観覧車に２人きりとはベタなシチュエーション。
向かい合っているのは少し気まずくて、私は視線を外に向けた。
息は整い、不思議な沈黙だけが流れる。
「これに乗って逃げてたとか、あいつらに知られたくないな」
「確かに、いらぬ疑いをかけられそう」
「…これくらい、…って乗れたらいいのに」
小さくひとらんがつぶやいたが聞き取れなかった。
「なんて言った？」
「いや、独り言だから」
「はーい」
「遊園地も久しぶりだけどさ、観覧車とか何年ぶりだろ」
「私も昔、家族で乗って以来かな。らんらんは誰と？」
「俺も家族だよ」
「つまんない、彼女と乗ったとかじゃないの？」
「それ、Aにもブーメラン刺さるでしょ」
「あ」
「Aはさ彼氏と来なかったの？こういうとこ」
「来なかったっていうか、彼氏なんていたことないからね」
「…なんかゴメン」
「謝ることじゃないよ、気にしてないし」
「そっか。初めて男と乗る観覧車の相手が俺で良かったの？」
「全然問題なし!!さっきまでちょっと気まずかったけどね」
「えっと、ゴメン」
「謝らないでって。私が勝手に意識してただけだもん」
「意識、してくれるんだ、俺のこと」
照れくさそうでありながら満足げに笑みを浮かべるらんらんからそう返ってきて、また少し気まずくなった。
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
