20話 ページ20
額に冷たいものがのった感覚で目覚める気になれた。
「お。おはよう」
「今何時？」
「１時ちょっと過ぎたとこ」
「ひっどい声やな。喉におっさんでも住みついたんちゃう？」
遠くからもう１人の声も聞こえた。
「グルさん、来たの？」
「メシ作ってくれてるよ」
「オスマンから弱ってるときに何食わせればいいかって聞かれてな。オスマンだけだと不安で来た」
「不安ってなんや」
「そのままの意味だが？」
「ダメだよ、空気感染しちゃう」
「大丈夫や、そのウイルスに抗体さえ持っていればうつらん。そもそも風邪と言うのは１種類だけのウイルスではなくて…」
「それいるか？」
「…ごはんつくりまーす」
「A、おなかは空いてる？」
「うん」
「よし。今お粥できるから、あとなんか食べたいモンある？」
「…桃缶」
「よっし、今からマンちゃんダッシュで買ってくるわ」
マンちゃんはパタパタと出かけていった。
「グルさんもごめんね」
「好きで来たから気にすんな。あ、冷蔵庫のもん少し漁ったからな」
「全然、問題ないよ」
「倒れたとか言ってオスマン慌ててたんだぞ。少しは楽になったんか？」
「今朝よりは意識しっかりしてるかな」
「メシ食って、昼からは病院な」
「はーい」
「ただいまー」
あれ、マンちゃん早くない？
「どうした、財布でも忘れたか」
「いや、表出たら桃缶がやってきた」
「はあ？」
「A、大丈夫!?」
トンさんまで来て、こんなに勢揃いされたら私、死ぬんじゃないのかな？
「大丈夫だけど大丈夫じゃないみたい」
「ほら、桃缶!!A、風邪の時は桃缶って言ってたやろ」
「よく覚えてたね」
「忘れるわけないやろ」
熱い顔がより熱くなるのがわかる。
「…弱ってるときにそんなこと言われたら、落ちるじゃないか…」
「え？…あ!?そういう意図はなくて!!」
「ラブコメの波動を感じる」
「オスマンも状況を楽しむな。ほらA、メシできたぞ」
恋人でもないのに看病に来てくれる異性がいる時点で結構なラブコメの波動だよね。
つまりは、３人とも可能性はあるんじゃ、とか思いながらグルさんの差し出すスプーンに口を開ける。
「ずっる!!俺もあーんしたい」
「お、いいぞ。トントンもやる？」
「…アトラクションみたいやな」
「病人をおもちゃにしないでよ」
「おもちゃみたいなもんやろ。スプーン出せば口をあけるってけっこうおもろいで？」
これにはラブコメの波動もへったくれもないかもしれない。
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
