19話 ページ19
やばい、38度7分。
社会人になって史上最高体温である。
体が重い、朦朧とする。
なんとか職場に連絡を入れ、病院にも行かなくてはならない。
体さえ動けば仕事に行ったのにと電話口で謝ると館長は、お客さんにうつしても迷惑だからちゃんと治してから出勤なさい!、と言われてしまった。
病院行ってちゃんと治さなきゃ、とは思うものの…。
「足にちから、入らない…」
関節がモゾモゾする。
もう、寝ていれば治るんじゃないかな…。
そんな希望的観測を含めて私は眠った。
玄関チャイムに呼び覚まされる。
崩れ落ちそうになりながら一歩一歩進み、ドアチェーンをかけたまま外を確認した。
「ふぁーい…」
「A、大丈夫か？」
「っれ？マンちゃん、どしたの？」
「今図書館行ってみたら館長が病気で休みやって言うから、不安でさ」
「ありがと。でも帰って？うつすと悪いし」
「うつされてもええから来たんや!!いろいろ買ってきたし、とりあえず上げて？」
「え〜、無理。部屋汚いし、洗濯物片付けてないし」
「見ないようにするから」
「そういう、問題じゃ、ないんだよなぁ…」
と口にしながら、私の足は何も支えられなくなった。
「ちょお、A!?」
「だいじょーぶ、ちょっとちから、入らないだけ」
「大丈夫ちゃうやん!!開けるで!!」
マンちゃんは外から器用にドアチェーンを開ける。
それやられたらちょっと怖いわ。
「膝擦っとるし…。ちょっとゴメンな」
フワッと体が上がる。
これは、お姫様抱っこってやつだ。
「全然汚くないやん。ほい、ちゃんと横になっとき、お嬢さん」
「マンちゃん、ごめん、重かったでしょ？」
「アホか余裕じゃ」
「すごーい、マンちゃん力持ち」
「いやAが軽いから。ちゃんと食ってんの？」
「食べてるよ。食べてるけど、胸にすら肉つかないから困ってる」
「いや、ついｔ…ま、ええわ。てか病院は？」
「行けてない」
「熱は、あるな、どう見ても。タクシー呼んで病院行くか」
「うごきたくない。ねむい」
「そっかー、じゃ、とりあえず寝とくか」
マンちゃんは優しく布団をかけ、額に手を置く。
「…イビキかいたらごめん」
「その時は鼻つまんだるから気にすんな」
「やめて死んじゃう」
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
