15話 ページ15
帰っても誰もいない。
図書館には、足が進まない。
ランドセルが重い。
河原のベンチに腰掛け、なにもすることなくボーっと水面を眺める。
せっかく、仲良くなったのに。
違うと言っても、言えば言うほど本当に聞こえてくるらしい。
もう、めんどくさいなあ。
ベンチに深く腰掛け、足をブラブラさせる。
あと１時間。
鍵を強く握り締めて、早く時が過ぎるよう願った。
「ここにいたか」
その声に振り返ると、学生服３人。
「ずっと来なかったから心配しとったんよ」
「１週間ぶり〜」
３人の優しい表情に安心したけど、ここにいちゃダメだとすぐに私は立ち上がる。
グ「どうした？なにかあったのか？」
ト「なんでも相談してや、な？」
オ「こんなに頼れる兄ちゃんが３人もおるんやから、１人くらいには喋れるやろ？俺とか」
「…やめる」
グ「は？」
「友達やめる!!」
グ「…なに言うとんの、急に」
「中学生と付き合ってるとか、３人と付き合ってるとか、小学４年生なのにマセた噂をされて、ヤダ」
グ「マセてるとか、どこ目線や」
ト「女の子の噂、こっわ」
オ「やばいな、俺達ロリコンやん」
ピントのずれた感想はそれぞれだったが、嫌な顔はしていなかった。
グ「で、今まで同級生とか大して気にしてなかったのに、なんで急に？」
「私はいいけど」
ト「いいんか」
オ「やった!!俺達脈アリやん!!」
「いいけど、３人に、迷惑がかかる、と思ったから」
グ「迷惑？ひとつも迷惑な事ないが」
「今はそうかもしれないけど、進藤くんのお兄ちゃん、３人の同級生みたいだし、噂は広まるものだから」
オ「進藤？誰？」
ト「野球部のちゃう？」
グ「美術部のキノコやろ」
理由を頑張って話しているのになかなか伝わらないようだ。
「だから、友達やめる」
グ「…気付かんか？」
「なにが」
ト「俺ら、ひとつも気にせんよ？」
オ「むしろAに友達やめられるほうが困るわ。俺らと対等に話せる同志やからな」
グ「言いたいこと言わしとけ。なんも悪いことしてないやろ」
この人たちは、味方だ。
両親と同じ、信じていい、離れちゃいけない人たちだ。
ちゃんと自覚したその時、涙が落ちた。
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煌月(プロフ) - 綾鷹緑さん» ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。話している人の頭文字のひらがな、もしくはカタカナの記載を部分的にしているのですが、もっと広域的に必要、という解釈でよろしいでしょうか？ (2017年6月23日 21時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹緑 - すみません。ちょっと言いたいことがあるのですが、誰がどのセリフを言っているのかわかりません。なので、セリフの前に、鬱「」という風にしたらいいのではないでしょうか？上から目線すみません。 (2017年6月23日 21時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
