９話 ページ9
「役割分担書いといたから、皆に仕事配っといて」
と、総統からサイス中将からの資料が渡された。
作業がよほど膨大だったらしい。
手渡しにそれぞれの部屋を訪れる。
最後の配達先は、１階の端のゾムさん。
３回ノックするも返答なし。
申し訳なくこっそり扉を開けるも、やはり部屋には誰もいない。
「あー、ゾム？」
「はい、どこか分かります？」
隣のトントンさんが出てきて声をかけてくれた。
「そやな、見張り、かな…。もしかしたら訓練かも」
「分かりました、行ってみます」
と言うものの、見張り台には行ったことがない。
とりあえず武闘訓練場と射撃訓練場を覗くも誰もいない。
見張り台に行く手前の階段はバリケードが張ってあるし、ひとらんらんさんも、ここから上は必要ないから、と案内を端折っていた。
行くしかないのだから行くけど。
バリケードをくぐり階段を進み、梯子を上る。
「あれAやん。よう来たな」
「お仕事を持ってきました」
うわあ、と一瞬で顔を歪ませる。
「それ、やらなダメ？」
「皆さんで分担した結果がこれです。
まあ、相手の時間稼ぎなので最低限の形が整っていればいいです。
だからお願いします」
「…しゃーない、やるかあ…」
渋々書類を受け取ると地面に広げ、書き物をはじめる。
「ここでやるんですか!?」
「うん」
「なんで」
「別に」
「部屋に戻ってやったほうがいいのでは？
ここ、風激しいですし」
「俺の部屋ここだし」
よく見るとゾムさんの後ろには寝袋がある。
「…見張りは交代制ですよね？」
「っていう建前で俺が住んでる。
部屋いたら向かいがうるさくてたまらん」
「コネシマさんと鬱先生ですか…」
「主にシッマな。トントンようできるわ」
「それも分かりますけど、紙を風に飛ばされても困るので出来るだけ室内で作業してください。
自室じゃなくても書庫だとか、応接室だとか使えばいいじゃないですか」
「俺はここが好きなの。
別に困らんし。
そこまで言うならAの部屋貸してや」
「なぜですか!?」
「…なんとなく」
「総統がしばしば出入りしますけど、それでも良ければ」
「それは勘弁やな」
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煌月(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、最後までお楽しみいただければ幸いです！ (2017年7月10日 17時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - ひとらんカッコイイです。続き応援してます (2017年7月10日 16時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
