25話 ページ25
目元が涼やかな可愛らしい少女。
彼女の隣で飛び交う議題について書き留める。
グルさんとらんらんは同じ部屋の違うテーブルで険しい顔をしているし、鬱先生とトントンは別室だ。
ずっとこれでいいのに、夜の晩餐会が少し気が重い。
「Aさん？」
「失礼いたしました、リディ様」
「大丈夫ですよ。私のほうはこれで終わりみたい。なんだかあっけなかった」
「とても円滑なやり取りでした。向いてらっしゃいますね」
「ありがとうございます。これもAさんが要のところで助言をくださったから」
「滅相もございません」
「謙遜なさらないで。さあ、部屋に戻って準備をしましょ」
疲れが見えないリディ様に付いて行き、用意してもらった部屋でシャワーを浴びてから着替え始める。
「でも男の人ばかりで疲れるわ。おじさんばかりでイヤになっちゃう。
だからAさんがいてくれてとても心強いです」
「ありがとうございます」
「ねえ、図々しいこと言ってもいいですか？」
「何なりと」
「名前で呼んでも良い？あと、敬語もやめましょ？」
「リディ様がお話しする分にはなんでも構いませんが、立場上お互いが、というのは少し…」
「私が許します。Aさんは歳も近いし、軍からの護衛というよりはお姉さんというか、友達みたいに思えるの。だからダメ、ですか？」
ここでダメだと言い張っても問題がありそうだし…。
「…いいですよ」
「やった」
リディ様、じゃなくてリディは髪を梳かしながら話す。
「Aはいつも、グルッペンさんたちと一緒なのよね？」
「はい。そうでs、そうだよ」
ふふっと笑いながらリディは続ける。
「好きな人は？」
「突然、だね…」
「やっぱり女の子なら恋をしないと!!」
リディの鼻息は一段と荒くなる。
「仲間ってだけで深い仲にはならないよ。リ、リディは、好きな人とかいないの？」
「いないかなあ。同年代の人あまり会わないし、お父様についていってもおじさんばかりだし。軍人も制服脱いだらただの人だもの」
脱がしたことあるの？と聞こうとしてやめた。
これは未成年にする話じゃない。
「よし、私はオッケー、いつでも行けるわ」
「ドレス、似合ってるね、リディ」
「ピンクとか幼稚じゃない？Aみたいな大人っぽいドレスが着たい」
「着る？」
「ううん。Aすっごく似合ってるから着ていて」
そう言われたら、このドレスが少し好きになれた。
かわいい妹には逆らえないのかもしれない。
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煌月(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、最後までお楽しみいただければ幸いです！ (2017年7月10日 17時) (
レス) id: d216df1310 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - ひとらんカッコイイです。続き応援してます (2017年7月10日 16時) (レス) id: f53aaac50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌月 | 作成日時：2017年5月29日 15時
